コールドスリープ 世にも奇妙な物語 2019

2019年の世にも奇妙な物語秋の特別編で、ムロツヨシさんが主演の「コールドスリープ」ですが、実は、世にも奇妙な物語のオリジナルの技術ではなくて、以前からある研究テーマとなっています。

以前からあると言っても、現在は実験段階で、実現しているとはまだまだ言えない状況です。

とは言え、実はかなり現実味を帯びた研究のようにも感じます。

ドラマの中で、ムロツヨシさんが「コールドスリープ」を利用したように、我々もいつかはコールドスリープを利用することができるのでしょうか。

こちらでは、「コールドスリープ」の技術の意味や目的、実際の活用方法や似た技術で実現しているテクノロジーなどを紹介していきます!

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コールドスリープは2019年現在実現しているのか?

結論からすると、2019年現在「コールドスリープ」の技術は実現していません

眠ったまま、生命や肉体を保存して何十年後に今の状態で目を覚ますということは残念ながらできないということになります。

そもそもコールドスリープの目的は?

そもそもコールドスリープの目的を考えてみたいと思います。

何のために何十年も眠る必要があるのか?ということを考えた時に、有効とされるのが宇宙船での移動に関して。

何光年先の星に行くとすると、例えば100年の時間がかかるとした場合に、人間の寿命が尽きてしまいます。その時に、「眠ったまま移動できれば、たどり着けるよね?」という技術は有効ですね。

100年というと、極端ですが、例えば、1年かかるとすると、その間眠ったまま、移動できれば、その間の食事もいらないことになりますので、かなりのエネルギーの保存になるわけです。

こうなると割と現実的に実現したい技術というのも分かる気がします。

ふと考えると、ドラゴンボールで、ベジータ達サイヤ人の移動は、「コールドスリープ」でしたね。

丸い宇宙船に座って、さて寝るかと言って1年とか移動していた気がします。地球への到達時間などかなりうろ覚えです^^;

実用されているコールドスリープの技術

コールドスリープを分かりやすく概念だけとりだすと、「常温のお肉はすぐに腐るけど、冷凍庫に入れておくとしばらく持つ。」

この技術と同じですね。

コールドスリープの焦点は、生きたまま冷凍保存することです。

そして、生きたまま保存するのが技術的に難しく実現できていません。

冷凍保存という観点で少し視点をずらすと、精子の冷凍保存は実現しています。生命の種の冷凍保存ができるということは、個体の生命で考えた場合はできなくとも、血統という概念で考えると冷凍保存の技術が実現しているということになります。

考え方によっては、精子の冷凍保存もSFになりえる技術ですね。

また、医療におけるコールドスリープの技術としては、スペースワークス・エンタープライジズ社の「ライノチル・システム」が最も実用性の高いものとして考えられていて、実現されている技術でもあります。

鼻孔より冷却材を吸入させ、人体が冬眠状態となる31.6 – 33.8度まで体温を下げるというもので、救命医療における現場で、体温を急速下げることにより、蘇生確率があがるという実績が出ています。

心配停止になったけど、心臓マッサージやAEDの使用で蘇生したということはあることですが、「ライノチル・システム」を使うことで、この蘇生確率があがるということですね。

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冷凍保存技術のクライオニクスとは?

コールドスリープと似た技術で、クライオニクスという技術があります。この技術は、亡くなってしまった人を冷凍保存する技術です。

発想としては、今の医療では、蘇生できないが、冷凍保存することで、医療の発展した未来において蘇生できる可能性を残すという目的があてはまりそうです。

コールドスリープは、生命体をいきたまま未来につなげる技術。クライオニクスは、死んだ肉体を未来に保存していく技術ということになります。

つきつめて考えていくと、生命の保存は、SFや哲学、倫理と言った思考にはまっていきます。

生きる死ぬ、生命の保存と考えていくと、クローンの技術にも思考は及びます。

興味深い内容がwikipediaにあります。

2008年、理化学研究所の若山照彦らのチームが、死後16年間冷凍保存されていたマウスからクローンマウスを産み出すことに成功した。これにより、理論的には冷凍保存された人の遺体からクローン人間を生み出すことが可能となった。
出典:wikipedia

精子の冷凍保存や、亡くなった人の冷凍保存とクローン技術を組み合わせると、生命は時間を超越して存在できることになってきます。もっとも自分が生きたままタイムトラベルするコールドスリープというわけではないですが、、、、

自分の子供が、何十年何百年先の未来で生まれるというのはどんな気持ちになるのでしょうか。

まとめ~人間と時間~

クマは冬眠するように、生命には冬眠できる不思議がありますので、人間も冬眠をできるとしても不思議はない気がします。

コールドスリープは、タイムマシーンよりもが現実的なタイムトラベルの方法であり、そう遠くはない未来に実現できるのではないかと思えてきます。とは言え、自分だけが未来に今のままで移動しても怖いかなと思いますし、やはりまわりの人が皆変わってしまうのは寂しい。

そう思うと、大切な人が命の危機にあったとして、コールドスリープを選択して、「未来に一人で生き延びたとしても、それは果たしてその人のためになるのか?」というと考えてしまいます。一概には言えない問題でしょう。

先術したように、宇宙の移動におけるコールドスリープはすごく実用的だと思いますが、あまりに簡易的に頻繁にコールドスリープができるとしたら、年齢の概念がよく分からなくなってきます。

ご長寿ギネスも意味不明になりますし、シニア割引とかも機能しなくなります。世界最年長でのスポーツの新記録とかも価値がなくなるでしょう、、、、

「もしもコールドスリープが使えるとどんな未来になるのか?」を考えていくと、人間と「時間」というのは、ある種の美徳感なんだなと感じさせられます。

有限だからこそ、一瞬一瞬に価値があるし、高校生の時、大学生の時、新入社員の時、子育て世代・・・とその時その時に価値が出てきます。

「人類が同じ時間枠の中で、生きるからこそ意味がある。」と感じます。

結果、思うのは、「「今」という一瞬をいかに大切に生きることがどれほど大切で価値があるか。」ということ。

普段当たり前と思っている時間というものを、多角的に捕らえてみると思いの他気付かされることは多いですね。

コールドスリープ。医学的にも科学的にも実現に期待したい技術ですが、クローン技術と同様に使い方は倫理観が伴う技術となりそうですね。

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