ミスジコチョー ネタバレ 感想

NHKドラマ10「ミス・ジコチョー-天才・天ノ教授の調査ファイル-」第7話の、あらすじと感想をお届けします。
ファイル7『真奈子、寝落ちする』での事故調査のテーマはシステムトラブルと過労死です。

現実に似たような現象が起きていることを考えると、全く他人ごとではないですよね。

また今回は天ノ真奈子教授の元夫が初登場するのも見どころです。
演じるのは、朝ドラ「半分、青い」以来の松雪泰子との共演、滝藤賢一です!

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ドラマ「ミス・ジコチョー-天才・天ノ教授の調査ファイル-」7話のネタバレ!

システムエラーのジコチョー

天ノ真奈子教授と助手の野津田燈は、いろは銀行のシステム障害のジコチョーに招かれる。
システムエラーのポイントは、3銀行合併の折に、振込のエラーに対し、“リトライしない”というコマンドを指定するべきところ、真逆の“リトライする”というふうにシステムに組み込まれていたため、ネットバンクを中心にトラブルが発生してしまったのだ。

銀行のシステム開発部ではなく、システム構築の統括・テクニサスソリューションシステム社の推進部長・十川勲に話を聞く教授と野津田。
今回のシステムは委託会社会わせて35社・1000人規模のプロジェクトだったとのこと。
問題の振込システムの“リトライ”については、リーダーの十川から、サブリーダーの高坂に口頭で指示したものだった。
高坂真司は子会社・テクニサスシステムズの社員だ。
「自分が指示を文書で出せばよかった」と嘆く十川。
しかし、高坂はシステム障害の前日朝、路上でくも膜下出血の発作で亡くなっていた。

研究室に戻った教授は、まずは高坂の勤怠状況を調べる。
高坂のタイムシートは、助手の西峰郁美が「超ホワイト!」と驚くくらい、スッキリとした9時5時勤務だった。
持病もなし、過労の疑いはなかったということだろうか。
そこで秘書の辻留志保が教授の過労を心配して「過信しないで」と注意する。
ジコチョーなどに浮気しているので、研究プロジェクトが6件も掛け持ち状態なのだ。

教授と野津田は、システムの下請けの会社を受発注のチャートに従ってまわってみる。
自社内では「ミスが多く仕事ができない」という評判だった高坂は、協力会社からは仕事ができてコミュニケーション能力が高いという評価を得ていた。
悩む野津田に対し、「やっと面白くなってきた」と、ワクワクする教授だ。

天ノ教授の元夫

高坂は2年前、やはり仕事で大きなミスを起こし、その頃は深夜残業が続いていたこともあって、カウンセリングに通っていた。
たちばなカウンセリングオフィスに調査に行くと、「久しぶりだね、真奈子!」と相手が気安い様子なので驚く野津田。
カウンセラーの橘健介は教授の元夫だったのだ。
どうやら2人は気安い関係で、教授の母・南雲博士もまだ橘と付き合いがあるらしい。
しかし高坂については守秘義務で答えてくれず、「次は1人できて」と言うのだった。

「エバンジェリスタ工学賞」を受賞した天ノ教授。
研究室の面々は鼻高々だが、教授本人は授賞式にも乗り気ではない。
会場では審査員長である南雲博士と並んで写真撮影をすることになる。
自分が欠席している間に決まったとうそぶいて、橘に会いに行ったことを冷やかす南雲博士。
「男運の悪さは遺伝」と反発する教授に、「彼は優秀なカウンセラーよ」と言い返す。

また橘に話を聞きに行く教授。
賞のことをホメてくれる橘に「受賞してもこれからの研究が成功するわけじゃない」とひねくれる教授だ。
高坂の過労死の疑惑を話すと、一般論として語る橘。
「クライアントが会社からの過剰な仕事で過労死したら、カウンセラーとして取り返しのつかない失敗だ」と言うのだった。

SEの過労死問題

ジコチョーで高坂の「隠れ残業」を明かす教授。
十川は「全く気づいていませんでした」と、遺憾だとうなだれる。
しかし過労死には証拠がなく、またシステム事故についてはなおさら「過労による高坂のヒューマンエラー」ということに傾いてしまう。

研究室では、郁美を中心に高坂の職場PCを精査することになる。
驚くことにPCのログから、高坂が協力会社を回った後で、いつも明け方にサービス残業をしていたことがわかる。
また、1件パスワードのかかっているファイルが発見された。
郁美が解析を仕掛けるが、時間がかかりそうだ。
それを待ちつつ、論文の執筆で夜明かししてしまう教授。
挙句「ゴミ同然」と投げ出してしまう。

夜、橘の家にお邪魔してしまう教授。
「何で来たんだっけ」と疲れた様子を、橘が紅茶で癒す。
グチを聞いてもらううちに、転寝してしまった教授。
「よく話していたよな、100年後の人類のために何ができるのかって」とつぶやく橘だ。

目が覚めた教授は、「寝るのも惜しいくらい研究し、新しいものを作りたい」と語る。
徹夜明けの朝日の話をすると、橘は苦笑して、「最初はきっと真奈子と同じなんだろうな」と過労死の人々のことを語る。
それを聞いて、突然閃き「あぁ、私失敗しちゃった!」という教授だ。

事故の真相

高坂の会社にお邪魔して、パスワードのヒントを得た天ノ教授。
「for your family’s tomorrow , and for all mankind’s future」という会社のポスターからとられた言葉だった。

ジコチョーで教授はロックのかかったファイルの中身が音声だったと明かし、十川を糾弾する。
録音の中には、はっきりと「リトライする方法に統一する」と指示している十川の声が入っていたのだ。
自分で何と指示しているか覚えてない状態だったこと、大於規模なプロジェクトのプレッシャーに押しつぶされそうだったことを言い、嘆く十川。
自分が何でも了解しているふりを続けていたとのこと。
それをすべて高坂に押し付けていたのだと教授は指摘する。
「あなたは、わかったふりを押し通すことで、あなた自身余裕を失っていったんじゃないですか?
それが、今回のプログラムのエラーの原因です」そうまとめ、高坂の死を悼む。
高坂は忙しい中で、十川の疲労すら気遣っていた。
「これは高坂さんに関わった全ての人の失敗なんです」そうまとめる、教授だった。

教授は「青天の霹靂ラーメン」を食べに行って、不幸にも南雲博士と相席になってしまう。
男運の話でケンカになるが、橘のカウンセリングが教授にいい影響をもたらしたことを南雲博士は指摘する。
そのころ、野津田は橘に話を聞いてもらっていた。
離婚理由を聞かれ「100年後の人類の未来を、家族の明日の未来と同じように考えている人だ」と教授のことを語る、橘だった

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ドラマ「ミス・ジコチョー-天才・天ノ教授の調査ファイル-」7話の感想!

今回はヒューマンエラーであることは間違いないですが、1人の上司のエゴと、システム業界の闇が原因という感じで、かなり切実な感じがしました。
何層にもなっている受注発注のチャートの中で、被害者の高坂1人が実務の責任を負ってしまい、やる気がある分なおさら潰れてしまったんですね。

過労死については本人に自覚がないままという悲しいケースで、「同じようなタイプの人が身近にいたら絶対注意してあげよう」と思えるような教訓を感じました。

ニセベテランと烙印を押されることになった十川はこの場合、現実なら依願退職か左遷ということになるのでしょうか。
演じている俳優・木下ほうかが迫真の演技だったこともあり、彼にも同情するべき点があったのかなぁと思えてしまいました。

天野教授と元ダンの関係は?

今回の初登場の教授の夫・橘健介は、決して天ノ教授と嫌い合って離婚したという感じではなさそうですね。
むしろ、教授を研究に集中させてあげたいという、博愛精神の賜物のような気がします。

橘自ら離婚する気になったのは、教授に寄り添うだけでは収まらないくらい、カウンセラーの仕事にも誇りを持っていたからでしょう。

その意味では、研究職をあえて諦めて秘書になった志保の、ちょうど対極にあるようです。
滝藤賢一演じる健介のちょっと不思議な優しさが、野津田の背中もいろんな意味で押してくれると、ドラマも面白くなりそうですね!

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