いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第23話「大地」の、あらすじと感想をお届けします。
金栗四三を守る女学生たちの“革命”の決着がつく今回ですが、「大地」とのタイトルの通り、今回は文字通り東京を、国を揺るがす大震災が語られます。
四三の、シマの、そして孝蔵の、各自の事情などちっぽけなもののように吹っ飛んでしまう成り行きを、ご一緒に見ていきましょう。

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大河ドラマ「いだてん」23話のネタバレ!

女子学生の革命・顛末

金栗四三の免職撤回を求めて立てこもった女生徒たち。
先生方がお手上げの中、四三は「村田!梶原!白石!?」と首謀者たちに呼びかける。
「腹ば減っとらんかね?」と、なんでもおごると言って意気をくじく作戦だ。
ところが父親・村田大作たちが強面で乗り込んできて、態度が硬化した女学生たち。
一方窓から、播磨屋の奥さんが差し入れをして、むしろみんなは高揚してしまう。

「おなごは運動しなくていい!」と恥さらしだと言い切り、よって四三は免職だと断言する父親に、まずはシマ先生が抗議する。
女の体は鍛えても仕方ないのか否か、もめる2人。
「男にはかなわん!」と言う大作に、「では競争しましょう!」とけしかけるシマ。
四三のクビは、“鍛えたおなご”代表の村田富江対、地元で走りに自信のある父親・大作の競争で決まることになってしまった。

生徒・教師・父兄、みんなが観戦する中で競争することになった2人。

素足にスポーツシューズで軽装の富江と袴の父親の、短距離走開始!
圧倒的に早い娘・富江!
何回も挑むも、タスキがけもむなしく敗れ続ける父・大作。
6本連続で富江の圧勝で、鍛えられた女子の脚力に驚嘆する大作だった。
父親の手を取り「ごきげんよう、パパ!」と帰っていく富江の勝利と、四三のクビ回避に、万歳三唱が起きるのだった。

スタジアム完成間近、その時お孝蔵夫妻は…

東京おりん噺。
当時のおりんと孝蔵は父親の助けを借りて1回目の夜逃げをしていた。
琴などはとっくに質草に化け、田端動坂に家を借りてもらった2人。
酒を飲みほっつき歩き、家には一銭も入れない孝蔵の振る舞いを、やつれたおりんは小梅に愚痴るのだった。
「もう別れちゃいな」と小梅は言うが、そうすると離れにくい心持ちの、おりんなのだった。

「シマちゃん先生のおかげでクビは免れた」との一件を嬉しそうに嘉納治五郎先生に語る、シマと四三。
笑う治五郎先生は、夏には神宮球場が完成すると教えてくれる。
「オリンピックを日本で開催できる」との話に、シマは「この子たちはスタジアムで走れる」と興奮する。

治五郎先生がスタジアムを案内してくれると言うので、楽しみにしていた四三だったが、実はシマに約束を伝え忘れていた。
その日、四三はスタジアムへ。
5.5万人の観客を収容可能だというスタジアムに見ほれ、言葉もない四三。
持参のカメラを治五郎先生に任せ、早速走ってみるのだった。
治五郎先生は、いずれ日本へオリンピックを招致し、そして柔道をオリンピック種目にすると夢を語る。
「150歳まで生き、何なら火星人に柔道を教える」と意気盛んなのだった。

シマは女学生たちと浅草オペラの観劇予定で、辛作の奥さんにリクを任せてお出かけする。
待ち合わせの浅草十二階に上り、競技場の敷地を双眼鏡で眺めていた。

清さんと小梅は雨でもお店の支度へ向かうところだった。

雨の中給料日前で銭もなく、暇を持て余していた孝蔵は、おりんの内職の横でゴロゴロと酒をねだる。
怒られ、ふてくされて出かけようとしたその時…!

関東大震災

大正12年9月1日、11時58分、大地震が起きる。
グラグラッと地面が揺れ、物が落ち、人々がよろけて慌てる!

おりんは七輪の灯を消し、よろけ「あんた、あんた!」と箪笥の陰に隠れる!
酒瓶が割れたのを見て「東京じゅうの酒が地面に吸われてしまう!」と、おりんを放って走り出す孝蔵。
動揺している酒屋に「酒よこせ!」と迫り、無料でがばがばと飲みまくる。
しかも2,3本酒瓶をかかえてフラフラと帰宅すると、おりんに「酒と女房、どっちが大事なんだい?!」と怒られる。
「そりゃ女房に決まっている」といいつつ、酒をカッ食らう孝蔵。
「女房が怪我したら明日から酒が飲めない…」と、つい本心が出てしまう。
「私は身重なんだよ!」と、おりんは切れながら打ち明けるのだった。

あわてて播磨屋に帰宅した四三。
さんさんたる店内に呆然とするが、何とかみんな無事だったと抱き合う。
シマの様子を見に浅草を走る四三。
百貨店が全焼したという増野も播磨屋に到着し、スヤの不在を聞いてとび出そうとするのを辛作になだめられる。

しかし、夕暮れより早く、東京の街は真っ赤に燃え始めていた。
高台にかまえ、広く燃えそうな大火事を、落語『富久』の走りに例える孝蔵。
地震そのものより火災がひどかった東京の街は2日間燃え、全焼してしまった。

シマを探す四三は、殺気立った被災者の自警団に訛りを咎められ「日本人じゃないな?」などと言われる。
偶然村田富江の父・大作に救われる四三。
災害のどさくさで余震や毒の噂など流言飛語が飛び、荒れている浅草の街だった。
富江は無事で、看護を手伝っていたが、村田の病院は全壊、人々の手当ても追いつかない状況だ。
シマ先生と富江たちが待ち合わせていた浅草十二階は、すっかり焼けて8階から上はなくなっているのだった。

震災のあとに

被災者をかき分け、のぼりを持ち、シマの名前を叫びながら、尋ね人の張り紙をして回る増野と四三。
諦め始めた増野は、シマのご飯の炊き方に文句をつけた話をして、「ゴメン」と謝り、泣き出す。
「陸上のリク」とシマが名づけた話をしてまた嘆く増野を、なんとか激励する四三だった。
その時「あらよっと!」とたくましい声がして、清さんの人力車がやってくる。
四三と抱き合い「死なずにすんだ」と泣き笑いする清さん。
シマの写真を見て、一緒に探すと言ってくれるのだった。

おりんと孝蔵。
瓦礫の中、片付けるでもなく「こんな時だからこそ飲む」と言い張る孝蔵。
湯飲みもなく、ろうそくの灯りでお椀のみする孝蔵の脇では、「だって寒いんだもん」と、おりんが孝蔵の着物で暖を取っていた。

昭和。
高座での地震話の後味を、寝酒でぬぐおうとする志ん生師匠。
美津子に質問された五りんは、会ったことのない祖母が被災したらしいと打ち明け、形見の写真を見せる。
大事にしていた白黒写真には…増野夫妻と、四三・スヤが写っているのだった。

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大河ドラマ「いだてん」23話の感想

「富江が父親に勝った!」と喜ぶ間もない急展開に、わかっている史実とはいえ呆然としてしまいました。

関東大震災について真正面から扱ったドラマは初めて見た気がしました。
四三と清さんが抱き合って「喜びは声に出さないと」と言っているシーンにはもらい泣きしてしまいました。

「2日間も燃え続けた」、「1万人の行方不明者が出た」などとリアルに聞くと、よくぞ、その後東京が復興したな、と感心してしまいます。

とはいっても、現東京は第二次世界大戦の空襲後の姿でしたね。

関東大震災の話題で語られる事実は…五りんの素性がついに判明!シマちゃんは生きてる?

関東大震災の惨状がまざまざと伝わってきて、スポーツどころではない後半のストーリーでしたが…。

ドラマとしては、何と、衝撃の事実が判明しました!
シマちゃん先生は、五りんの祖母だというのです!

ハッキリ「被災した」、「会ったことない」と言っていたので、シマちゃん先生の今後にも希望が持てない様子ですね。
四三も増野も、とても悔しいことだと思います。

さて、では五りん持参のハガキ『志ん生師匠の“富久”は絶品』というのは、リクちゃんの言葉なのでしょうか。
志ん生師匠がシマの話を五りんに割り振っていたのは事情を知ってのことか…いえ、ドラマ的神通力でしょうか。(苦笑)

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