いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第42話「東京流れ者」の、あらすじと感想をお届けします。
政治家たちがオリンピックを名声に利用するのに苛立っていた田畑政治(阿部サダヲ)。

しかし、選手ファーストを目指して平沢和重(星野 源)と共に代々木米軍基地の返還を目指すため、政治のど真ん中に切り込むことになります。
川島正次郎(浅野忠信)vs田畑政治が盛り上がります!

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大河ドラマ「いだてん」42話のネタバレ!

オリンピックに向かう人々

1964東京五輪に邁進する田畑政治たちと介入してくる政治家・川島正次郎が角突き合わせ始めたころ。

日本は高度成長期、特に渋滞状況がヒドかった。
『アテネから東京まで聖火リレー』とデザイナー2人から小耳に挟んだタクシー運転手・森西栄一は、渋滞のイライラが高じて、聖火リレー踏査隊に立候補してしまう。
アテネから2万キロ13か国を、2台の車で横断することになる!

オリンピック競技入りを狙う女子バレーも盛り上がっている。
鬼監督大松のスパルタに耐える河西昌枝選手率いる日紡貝塚のチームは選手権に向けて頑張っていた。
「コイツを2年間私に貸してください」と、と昌枝ほか選手の親に頭を下げる監督だ。
“ウマ”こと昌枝は両利きを目指して頑張っていた。

一方、日暮里の自宅に戻った古今亭師匠は脳梗塞での右半身麻痺をおして落語の練習を再開。
扇子などが上手く扱えず、しょげていた。
妻おりんや今松が介護して、ようやく外出できる程度だ。

選手村問題

津島寿一元大蔵大臣を中心に「選手村は朝霞に」と発表されたが、納得のいかない田畑政治。
国立競技場に近い代々木にこだわり、平沢和重を巻き込んだ。
平沢は米軍のメリットを付く作戦にでる。
「日本の反米感情を緩和し日米安全保障条約の更新につなげよう」と、ライシャワー米国大使と交渉したのだ。
政治の勝手にイラつく津島と東知事。
何とアメリカは、米軍の立ち退き料プラス、新宿舎の建設に60億円要求してきたのだ。
とにかく国に頼るしかないと、池田勇人総理に相談しようと、東と津島が動く。
経済に強い、高度成長期をけん引した首相だ。
模型を見せて孤軍奮闘する政治だが「全部朝霞にもっていけば済む」と相手にしてもらえない。

策が思いつかない政治は、酔って嘉納治五郎先生の肖像画と会話することになる。
生きていれば100歳の治五郎先生。
『お前ならやってくれると信じていた』と“2回目”の東京五輪を喜び、“1回目”が中止だった話に肖像画を落下させてバチを当てる。
『政治とスポーツは別物』と持論を打ち上げて、『国民はどこでオリンピックを見るのかね』と聞いてくる治五郎先生。
「競技場は8万人収容、それ以外の人はTVで」と、つい答えた政治に何かが閃く!
バー・ローズのマダムが、白黒TVにうんざりしていたのを思い出す!

池田大臣の部屋に再度模型を持ち込んだ政治。
たこさんウィンナーで代々木にアンテナのオブジェを作り「放送局です!」と披露する。
「米軍跡地にNHKを作ると…カラーTVが売れる!」と経済効果をプレゼンする政治。
カラーTVは1台60万円の時代、1万台売れれば、60億円のモトが取れるではないか。
たこさんウィンナーを食べつつ、60億円を出す気になる池田大臣だ。

「直談判はこれを最後にしたい」と笑いながら、“代々木選手村決定”をみんなに報告する政治。
拍手喝采だ。
「仕方ないよ、マーちゃんのオリンピックだもんね」と笑ってくれる東知事だった。

志ん生と五りんと金栗四三

高座の五りんが「建設工事が間に合うのかどうか」と盛り上げている頃。
志ん生師匠はおなじみの境内でぽつんと練習していた。
上手くいかない師匠の頭に国語の教科書を朗読する子供の声が響く。

一方、大塚の書店前では「金栗四三先生自叙伝出版記念会」が開かれていた。
『走れ25万キロ』に達筆にサインする、白髪頭の四三。
何と列には円谷幸吉、その次には千恵子と五りんが並んでいる。
「小松金治です!」と名乗られ、驚いてイスを倒す四三。
感動で涙ぐむ四三は、五りんに頼まれるまま『志ん生の富久は絶品』と著書に書き加える。

志ん生師匠を迎えに来た五りん。
「オリンピックまでに、高座に上がれるかな」と弱気の師匠。
師匠をおんぶして激励しつつ『富久』を口ずさむ五りん。
家にはサイン本『走れ25万キロ』が待っているのだった。

・ ・ ・

1962年、東京五輪のポスター第2弾が完成。
各国選手がスタートダッシュをキメる写真は好評で「復興へののろしだ!」と喜んでいた田畑政治だったが…。
一方で「日本人、特に若者が盛り上がってない」と、イライラしている様子。
地団太を踏んでいると、聖火リレー踏査隊の森西がボロっとして帰国する。
汚いと言われ、「アテネからシンガポールまで2万キロ走った!」と怒り出す森西。
「タクラマカン砂漠をたいまつなんか持って走るのは無理」との報告だった。
政治はポケットマネーでねぎらいの酒盛を開く。
選手村の各国料理の試食品が差し入れられ、ビュッフェ形式で振舞われる。
しかし、津島は誘われても仲間には加わらないのだった。

オリンピック担当大臣

「オリンピックは経済の起爆剤です、政府が利用しない手はない」と池田首相に川島。
とうとうオリンピック担当大臣に任命されてしまう。
記者会見で「僕はトトカルチョの代わり」と、政府が予算を出していることを強調する川島。
「建設省、文部省などを僕がまとめる」と息巻いて、政治・東・津島を侍らせて写真撮影に臨む。
早速、コッソリ政治に津島の無能を非難する川島。
政治が東知事に相談すると、「背筋が凍った話」を打ち明ける東。
東知事は川島正次郎大臣に「津島はボンクラ、田畑はスタンドプレー」と首を切るように言われたのだ。
「田畑は欠かせない」というと、津島が断罪されたらしい。
“寝業師・川島”とぼやき、胃薬を飲む東に、顔をしかめる政治。
「津島は俺が守る」と心に決めてしまう。

イライラとTVを見て策を練り…五りんのTV寄席まで見て、何かを閃いた政治。
「いるじゃないかよ、無関心じゃない若者がここに!」
五りんのオリンピック馬鹿ぶりに興奮して「広告塔にしよう!」と岩田を派遣する。

高座に駆け上がり、五りんに迫る岩田だった…。

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大河ドラマ「いだてん」42話の感想

政治家が侵食してくる東京オリンピックを、何とか選手ファーストの自分が思い描く大会にしようと頑張る田畑政治の辛さが痛々しかったです。
確かに国費・都費、つまりは税金を使っての競技会なのですが、私財をなげうった草の根的な政治の頑張りを無視して、予算削減や責任などを問うのは、よろしくないですよね。
田畑政治が道筋をつけた米軍の代々木返還や委員の協力体制を、横からさらっていくように見える川島大臣の曲者ぶりが際立った、今回でした。

治五郎先生から政治、四三から五りん。引き継がれていくオリンピック愛!

それにしても、体協を中心としたオリンピック準備委員会は、田畑政治を中心に何だか別世界でした。
聖火リレー踏査隊を迎えての宴会シーンなどを見ると、オリンピックは大人が夢を見る場所なんだなぁと、しみじみ思えました。

今や肖像画の霊(?)となった嘉納治五郎先生の精神が田畑政治に、金栗四三の人生をかけた奮闘が、語りに姿を変えて五りんこと小松金治に受け継がれていることにも胸を打たれます。
次回、“若者パワー”発揮で、五りんと河西昌枝が出合うシーンも楽しみです!

いだてんの見逃し動画配信を見る方法は下記コンテンツに記載しています!

また1話から最終回のネタバレと感想もまとめていますのでよろしければあわせてご覧ください!

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