いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第47話「時間よ止まれ」の、あらすじと感想をお届けします。

いよいよ最終回は、前夜の悪天候とは一転して秋晴れの東京オリンピック開会式の日から始まります。
しかし、天気に恵まれても落ち着かない組織委員会本部では、様々な対応に追われます。

嘉納治五郎先生以来の夢の「平和の祭典」の幕開けです!

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大河ドラマ「いだてん」47話・最終回のネタバレ!

秋晴れの東京

10月10日、国立競技場。
1番乗りして感慨にふけっているのは田畑政治だ。
金栗四三が駆け付け「晴れましたなあ」と話しかける。
「一番面白いことやるんだから、晴れてくれなくちゃ」と応じる政治だ。
四三は嘉納治五郎先生の最後のエアメールを政治に見せる。
1940年の東京五輪決定時に『上京して力を貸してくれ、聖火ランナーを君に頼みたい』と書き送られたものだ。
足袋ばきの四三に「諦めきれてないじゃんね」と苦笑いで詫びる政治だ。

開会まであと5時間。
ブルーインパルスのパイロットたちは「決行だ!」と慌ててスタンバイする。
東都知事は羽田に不参加が決定したインドネシア選手団を見送りに出ていた。
「これは田畑のオリンピック、だから出たかった」と言うアレンに詫びる都知事だ。
記録担当の市川監督はカメラ係を各所に送り出す。
岩田幸彰はブランデージIOC会長が開会スピーチを英語か日本語か迷っている件で対応に追われる。
嘉納治五郎先生の懐中時計に気づくブランデージ夫妻。
動いている経緯を説明すると「カノーの鼓動だ」と言ってくれるので、感動の岩田だった。

「世界中の秋晴れを全部集めたような快晴」とTVでもアナウンスされる。
午前10時、国立競技場がいよいよ開場だ。
続々の来場者に感動の政治。
着席した一群の中には、高石勝男や大横田勉ら、往年の水泳選手たちもいて、政治や松澤一鶴も大感激だ。

1時50分、全国旗掲揚!
国旗係の吹浦忠正は感動する一方で、うちうちで参加しなかったインドネシアと北朝鮮の旗も広げ、涙ぐむのだった。

緊張の聖火ランナー、ドタバタの本部

坂井義則選手は、スタンバイ場所付近のちゃんぽん屋・水明亭にかくまわれていた。
やってきた金栗四三は「固くなるのも仕方なか、7万人じゃけん」とねぎらう。
緊張のあまり「僕はあの日に生まれただけ、何者でもないのに」と田畑政治への恨み言を言う坂井。
そこで一計を案じた四三。
店の裏からたらいで水を持ち出し、坂井にぶっかける!
冷水浴のつもりだ。
「なんも考えんと、走ればよか!」というのだった。

1時58分、天皇陛下御臨席、君が代が流れる競技場。
政治は、コンゴのヨンベ選手が行方不明なのに対応していた。
走って駆けつけた四三は、野口源三郎・可児徳と出会って喜ぶ。
コンゴのたった2人の選手に、自分と三島弥彦が重なって見える。
「思い出すね、オリンピックストックホルム」と四三。
「やっとみられるよ」と可児。
嘉納先生に見せたかった…と感慨にふける。

2時35分、皇居出発の聖火が国立競技場へ近づく。
選手入場、赤いスーツの日本選手団に拍手喝さいの競技場だ。
松澤は堂々の行進の先導役で誇らしげだ。

「晴れてよかった」と四三、また、政治や河野一郎大臣も感慨にふける。
「あの時は土砂降りでした」と思い出すのは、小松勝ら学徒出陣を見送った日だ。
3万5千人の若者を涙の万歳で送り出した時、「オリンピックはあきらめん!」と政治が決意した時だった。
「やったぞ河野、ざまあみろ!」と政治。
「やかましい、なにも言うな」と、涙ぐみ、自ら立ち上がり万歳を叫ぶ河野。
一斉に観客たちがバンザイを繰り返す。

女性選手から聖火を引き継ぎ、トーチを持って走り出す坂井。
日本語でスピーチするIOC会長の対応に追われる岩田。

バー・ローズではママが自慢げに、政治から贈られたカラーTVでお客たちと開会式を見ていた。
「占い、わざと反対を言ったんです」とママ。

競技場では風船が放たれ、坂井が入場する!
「よか走りばい!」と感心する四三。
満足げに目をつぶる政治。
台に点火した坂井選手は、迷いのない晴れやかな笑顔だ。
みんな感動の落涙の中、鳩が一斉に飛び立ちブルーインパルスが弧を描き…。
無事、五輪を描く!
雄たけびの松澤。
「とつけむにゃあ!」と四三、「初めて成功したじゃんね!」と政治だった。

五りんの決心

その頃の志ん生師匠。
相変わらず寄席に行くのに日本橋で渋滞にはまり、「高速も出来たのに」とグチる娘・美津子。
「みんな車止めて、空を見ているんですよ」と、運転手が解説する。
今日は『富久』をやろうかと考える師匠だ。

高座の志ん生師匠。
『富久』に先駆けて、満州の思い出を話す。
「浅草から日本橋じゃ4、5キロだ」と某氏にケチを付けられ、主人公久蔵を芝まで走らせたという話だ。
「ついでにその男のせがれが弟子入り、しかしいなくなって…」と語るのだった。

2ヶ月前、美津子は工事現場に五りんを訪ねていた。
聖火ランナーを落語協会から出す話を持って行ったのだ。
「開会式の日は名人会、来たら詫びがかなうかもしれないよ」と勧める。
「『富久』みたいにしくじりが治るかもしれない」と言うのだった。
「10月10日はちいちゃんの出産日だし」と、ためらう五りん。
みんなずっと気にかけている、「いい“さげ”待っているよ!」と笑う美津子だった。

仕事の合間に父親のハガキ『志ん生の富久は絶品』を見る五りん。
聖火ランナーに参加することを決心する。
本番、「足袋で走るの?」と驚かれ、列に加わる五りん。
トーチは本選手だけ、残り20人は旗を持って伴奏すると聞き、ちょっと残念な気持ちになる。
「こんなもんか、五りんだし」と、最後から2番目の聖火ランナーの伴奏をするのだった。
時速12キロで坂井選手にたどりつくとお役御免。
物足りないまま水明亭に寄り、裏の木に登って聖火台に点火されるのを遠目で見て、決心する!
「ココから芝まで」と、走り出す五りん。
志ん生師匠との日々を思い出し、泣きながら、『富久』を口走りながら走る!

高座で『富久』をノリノリで語り終わった志ん生師匠。
楽屋では五りんが正座して待っていた。
今松が怒るのを、転ばせて止める師匠。
「どこから走ってきた」
「浅草…国立競技場から!」と五りん。
「忘れねえで来たんだ、よし、出入りを許してやる!」と太っ腹な師匠だ。
笑顔になる一同。
「何とか言えよ五りん、芸人だろ!」と今松がせかす。
モジモジ話す五りんに師匠は「志ん生の富久はどうだった?」と尋ねる。
足袋のまま足踏みして聞いていた五りんは「絶品でした!」との返事。
ニッコリの師匠。
その時、浅草の病院から「生まれる」との連絡が入る!
「生まれる」と叫びながらもと来た道を戻る五りん。
生まれたのは女の子。
「『富久』の富と母親の名前から“富恵”と名付けました」
そう師匠の息子・古今亭志ん朝に高座で紹介してもらう、五りんだった。

そして「完走」

東京オリンピックは順調に進んでいく。

マラソン競技の日は、播磨屋のTVで辛作と四三たちが観戦する。
TVではひたすらアベベ選手を追っており、辛作は「うちの足袋は?」と少し残念そうだ。
アベベがぶっちぎり1位だが、円谷選手が2位に迫る!
ゴール直前でイギリスに抜かれたが、銅メダルを獲得。
「よくやった」と感動する四三だ。

女子バレーボールの日、「東洋の魔女」たちに大松監督が「みんな今日で卒業や!」と気合を入れる。
「鬼の大松も卒業や、みんな、勝って嫁に行け!」との掛け声だ。
田畑家では菊枝が盛り上がる横で、コンゴの2選手も観戦していた。
無事金メダルを獲得!大松が感涙で胴上げされる。
その後、昌枝選手の結婚式には父親代わりで参列する大松だった。

10月24日、閉会式直前。
新聞を見てあわてる岩田と政治。
今日北ローデシアがイギリスから独立、ザンビア共和国になったというのだ。
選手団は「表記をザンビアに変えてくれ」と主張、プラカードはともかく旗はどうするべきか。
政治が「おろそかにしないのが平和の祭典じゃんね」と粘る。
国旗係・吹浦がなんとか旗を持ってきて間に合う!

最後のパレードでは、選手たちは興奮で全くアナウンスの言うことを聞かない事態に。
森西や松澤が嘆く中、ゲートオープン!
しかし、しっちゃかめっちゃかな感じが、逆に世界から称賛を浴びる事態となる。
「国境を、宗教を超えた美しい姿、和気あいあいです」とのTVアナウンス。

満面の笑みでうなずく政治に、なぜか治五郎先生の声がする。
「田畑、これが世界に見せたい日本かね?」と治五郎先生。
「はい、いかがですか?!」と政治。
「面白い、実に面白い!田畑、私は改めて君に礼を言うよ、ありがとう!」
そう聞こえた気がして、泣きながらうなずく政治。
そこに感激の岩田がやってくる。
涙が止まらない政治は「岩田君、俺は改めて君に礼を言うよ、ありがとう!」と治五郎先生のままにお礼を言う。
「最高だ、俺のオリンピックが、みんなのオリンピックになった!」
もらい泣きした岩田は、改めて懐中時計を差し出す。
治五郎先生の写真の前での、出来事だった。

打ち上げ花火と共に、聖火台が消火される!
TVで見て、「ご苦労様でした」と競技場模型に頭を下げる菊枝だった。

・ ・ ・

3年後の熊本で、金栗四三宛てに手紙が届く。
『1910年マラソン競技でその後一切の報告がない…マラソン競技の完走を要請いたします』とのこと。
55年ぶりのストックホルムに、スヤも同伴で向かう四三。
旗を振って先導する少年は、いつの間にか四三少年に…四三老人は青年になっている…。

田畑政治は河童のマーちゃんに戻り、日本水泳連盟会長として、後陣の育成に当たっている。

「『54年8ヶ月6日5時間32分20秒3』の記録、日本から来た金栗四三、大変な名誉であります」
長い道のりでした、と高座で語るのは、志ん生師匠だ。

「走っている間に6人の子と10人の孫…」と締めくくる、志ん生の「オリンピック噺」…。

[おしまい]

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大河ドラマ「いだてん」47話・最終回の感想

大河ドラマ「いだてん」が最終回を迎え、実映像も交えて東京五輪が語られました。
IOC会長が日本語でスピーチしたり、北ローデシアがザンビアになったりと、最後までドタバタでしたが、誠心誠意対応に務めた委員の頑張りが感動的でした。
最終聖火ランナー・坂井選手の頑張りも良かったです。
また、嘉納治五郎先生の精神と感謝の気持ちが、田畑政治から岩田幸彰へと受け継がれていったのも、感涙ポイントでしたね。

来年の東京オリンピックを見る際も、いろいろ思い浮かびそうです!
五りんの方も志ん生師匠に詫びを入れ、納まるべきところに収まって良かったです。

最後、麻痺持ちだったはずの志ん生がポーズをキメたのには、苦笑いでした!

宮藤官九郎も出演の最終回、完走!

最後は金栗四三の「完走」で締められましたが、本当に大騒ぎのオリンピック噺でした。
視聴率がいまいち振るわず、いろいろ言われた大河ドラマでしたが、最後にひょうひょうと宮藤官九郎が志ん生師匠のタクシー運転手として出演しましたね。

ネットでは「初回に合わせている」「某缶コーヒーCMの逆をいく」と盛り上がっていました。
最後の金栗四三がストックホルムに立ったシーンではスヤも同伴していましたし、少年時代の四三も再登場でしたね。
いかにも「走り抜けた」というムードが感動的な、ドラマ「いだてん」でした!

記事にも最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

いだてんの見逃し動画配信を見る方法は下記コンテンツに記載しています!

また1話から最終回のネタバレと感想もまとめていますのでよろしければあわせてご覧ください!

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