いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第20話「恋の片道切符」の、あらすじと感想をお届けします。
いよいよアントワープ大会です!
ただ、ストックホルム大会とは違い、1回で旅程から報告会まで放送しきってしまうというシナリオに、歴史的事実の日本の成績を思い浮かべてしまいます。
それではアントワープ大会がどのように語られるのか、見ていきましょう。

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大河ドラマ「いだてん」20話のネタバレ!

日本選手団出発!

無事マラソン競技も復活し、四三のオリンピック参加も決まったアントワープ大会。
岸清一理事のおかげで、渡航費を協会が捻出できることになり、参加人数は選手15名、監督1名と決定する。
マラソン選手は四三を含め4名、他にテニス、立候補した野口源三郎の10種目競技・デカスロン、水泳選手と決まっていく。

同じ頃。
“ちいちゃん”こと浜松の口座の女将の援助で、浜松で噺家を続けている孝蔵。
その知人、浜名湖のカッパ軍団の1人、“まーちゃん”こと田畑政治は、浜松で随一の内田選手を激励していいた。
日本古来の泳法は顔を上げたまま体力を消耗しないように泳ぐ方法だが、西洋のクロールにかなうのか、研究しているカッパ軍団だった。

東京ではシマが、着物の裾をおはしょりしてマラソンをしており、四三に目撃される。
恥ずかしがるシマだが、女子のオリンピック選手がいないことに文句を言う。
いずれオリンピックに「女子の輪」が加わる日が来ると、励ます四三だった。

9月日本選手団の壮行式。
主将は野口、監督には弁護士資格を持つ東大陸上部出身の辰野保が選ばれた。
自分は時代遅れと辞退した永井先生、影で悔しがる可児先生。
盛大な万歳で送り出される四三たち選手だった。

船上で、アレが発覚!

今回の旅は、ハワイ経由でアメリカ回り、サンフランシスコからニューヨークまでアメリカを横断し、ロンドンを通過してアントワープを目指す。

熊本に出発の報告をする四三。
スヤの送った妻・息子の写真を大切にして、船旅を続ける四三は、数え年で30歳になっていた。
最後のチャンスとばかり、大志のために中学教師の職を退職したとのこと。
今回の選手団では孤独はなく、体調は万全だ。

熊本からスヤも「どうぞご無事で」と書き送るが…。
おっちょこちょいなことに手紙は東京の下宿に届き、何故か美川が返事を書き送っていた。
『心はアントワープに飛んだようですが…』と綴る手紙の追伸には『中身を読むべきかの葛藤は、もはや美川にはありませんでした』などと書いてあるのだった。

和気あいあいの選手団では、四三の「大切な写真」が話題になっていた。
“マラソンバカの金栗さんのオンナ”について、「心当たりは3人」と語る野口。
・冷水ぶっかけ女
・ミルクホールの女
・じゃじゃ馬、二階堂トクヨ先生…と盛り上がっている。

そんな船の上で小さな事件発生。
旅券がチェックされたが、“ミスターイケベ”の旅券を受け取る者がいないとの騒ぎだ。
「イケベ イズ ノット ヒアー」と、カタコト英語の嘉納治五郎先生。
「シソウイケベ?」と船員。
挙手した四三はみんなに驚かれ、初めて養子縁組と結婚のことを語る。
去年長男も生まれたと聞き、驚きで盛り上がる選手団。
「すみません」と恥じらう四三。
実は野口も松本市で結婚し、子供がいるとのこと。
「熊本の妻は嫁いで7年、何の文句も言わないで支えてくれた。祝賀会で妻を披露したい」と語る四三に、みんな温かく笑顔を見せる。
写真を治五郎先生にだけ披露する四三だった。

開会式…そして報告会

大正9年8月3日、ベルギーのアントワープに到着。
14日にはアントワープオリンピック開会式だ。
緊張する選手団を解きほぐす、経験者の四三。
「久しぶりだ、いだてん!」と、うれしいことに、三島弥彦が応援に来ていた。
去年からロンドン支店に勤務している弥彦。
野口が選手団に三島弥彦を紹介する。
「俺がいだてんで、弥彦さんがテング」と語る四三。
「今はただのエリート銀行員」との発言に選手団は笑顔に包まれるのだった。
緊張している選手団に対し、三島弥彦は天狗倶楽部のエールを送り、写真を撮影。
四三は熊本にも「金メダルと共にスヤをみんなに紹介する」と書き送る!

・ ・ ・

その3ヶ月後。
東京の報告会の雰囲気は盛り上がらず、四三の姿はなかった。
治五郎先生も、まだ帰国していない。
便りを寄越さない四三を心配して、顔を揃えていた兄・実次とスヤ。

報告会を取り仕切るのは主将の野口だ。
・熊谷選手、テニスシングルス銀メダル
・熊谷柏尾組、ダブルス銀メダル
初のメダリストたちだ!
大きな拍手!
しかし、あとの成績は振るわず、予選敗退や棄権が多かった。
10種競技に参加した野口は最下位、しかし棄権しなかっただけでも悔いはないと語る。
競泳の報告を見守る中には、田畑政治もいた。
予選敗退の結果と共に、世界がクロール一色であることを語る、内田選手だった。
記者たちのブーイングの中、眉をしかめる田畑。
野口が代理で、マラソンについても報告する。

自費で駆け付けた永井先生にも「日の丸が高々と上がるのを見届けたい」と激励される四三。
「いけ、走れ、いだてんども!」と送り出す治五郎先生。
小雨すらかつての羽田予選を思い出す、と意気軒高だった。
他の日本人選手を「自分のペースで!」と励まし、順位を上げていった四三。
順位を5位まで上げた瞬間もあったが、35キロ地点で、急に失速してしまう。
「走り続けた8年間の無理が祟ったのだ」と推測する野口。
実は若干、足に違和感を抱えていた四三だった。
そんな四三を受け止めた治五郎先生。
記録は2時間48分45秒。
16位だった。

ブーイングの中、選手たちは金栗四三を必死に弁護する。
「この非国民が」との非難に掴みかかる選手もいた。

四三はどこに?

「嘉納団長の会見はいつ開かれますか?」と報告会の雰囲気を一刀両断する二階堂トクヨ先生。
日本が再開を申請したマラソン競技の惨敗に「国際舞台で赤っ恥をかいた」とまで発言する。
「この責任は誰が取るおつもりですか!?」との発言に、キレたのはスヤだった。
「せからしか」と叫ぶスヤ。
金栗選手は負けていない、42キロを完走した、16位でも自分にとっては大勝利だ。
「金メダルたい!」とのスヤの言葉に泣き出す選手団。
「金栗が世話になった」と声をかけ、「池部と申します、金栗四三の家内です!」と名乗る。

それでも「体協のオリンピック最優先の考え方を改めない限り、わが国の体育の向上はない!」
そう叫ぶ二階堂トクヨを、永井が止めるのだった。

治五郎先生も会長を退く決意をしていた。
金栗四三でも歯が立たないことを嘆きつつ「重要なのは50年後100年後の選手たちが体育を楽しんでくれること」と永井に語った治五郎先生。
「野口くん、二階堂くん、日本の体育を頼むぞ」…そうまとめる永井先生だった。

・ ・ ・

ストレイシープ“迷える子羊”と美川に比喩されていた、四三。
四三はヨーロッパの街をさまよっていた。
4年前大会中止になったベルリンにまで足を伸ばした四三。
「潔く熊本に帰るか、このまま世界を放浪しようか」と、捨てバチに悩んでいた。
そんな四三の前に、ある女子が投げた槍が突き刺さる!
仰天した四三。
「おなご?!」と外国の女子選手の能力に2度びっくりするのだった。

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大河ドラマ「いだてん」20話の感想

「あっ」と言う間にオリンピックが通り過ぎてしまい、忙しかったですね。
船の上での、和気あいあいとした四三達の雰囲気に、前回のストックホルム大会のときの緊張感とのギャップを感じ、興味深かったです。
やはり2度目、人数が多いこと、そしてまた治五郎先生が最初から同行しているということも良い空気を生んでいたのですね。
三島弥彦と四三がアントワープで再会したこと、スヤが必死に四三を弁護する報告会の姿も、ちょっとウルッとくるような感動シーンでした。

アントワープ大会での日本選手団の温かさに感動!

第20話「恋の片道切符」との題は、四三のメダルへの片恋をイメージした題名だったのでしょうか。
当然ですが歴史は変わらず、四三はメダルを取れませんでした。
それでも、日本“選手団”としての彼ら15人の成長は、とても素敵なものだったと思います!

長期の船旅シーンでの朗らかな雰囲気、四三や駆けつけた弥彦に励まされて盛り上がる様子。
何よりダブルス意外は個人競技なのに、みんなが和気あいあいと支え合っている姿、銀メダル2種目以外は散々な結果をフォローし合い報告する姿に、スポーツマンシップの芽生えを感じました。
ドラマとはいえ、その雰囲気を醸し出した多くの部分に四三が貢献しているのだから、「金メダルの活躍」とのスヤの言葉に、大いに賛成です!

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