いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第12話「太陽がいっぱい」の、あらすじと感想をお届けします。

みんなの期待を背負ってストックホルムを走る、金栗四三。

史実では残念な結果がわかっているわけですが、ドラマではどのように描かれているのでしょうか。

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大河ドラマ「いだてん」12話のネタバレ!

出遅れる四三

寝ている金栗四三が、大森安仁子に起こされている…。
・ ・ ・

7月14日、マラソン競技当日。

熊本では。
スヤが四三を応援したい気持ち満載で、夫・池部重行と共に、金栗家に立派な鯛を届けていた。
「精を付けてほしい」と言われても「2週間かかるから送れない」としか言えない金栗実次。

何しろあと3時間で、現地でマラソン競技は始まってしまうのだ。
気持ちの止まらないスヤは、ご近所のみんなで縁起物の鯛を食べて応援しましょう!と言い出す。
急きょ宴会が始まる金栗家だった。

東京では。
若き志ん生の朝太が、空の人力車を引いて走り回っていた。
初高座に合わせて「富久」を練習するも、同じところで詰まるので「車を引いて覚えないと」というわけだった。

さて、ストックホルムの四三。
午後1時半の開催に合わせて、11時に宿舎を出発する予定だ。
しかし、安仁子が心配するほど体調の悪い大森兵蔵監督。

「I have to」と頑張って四三に同行するものの、足手まといで、2人は迷子になってしまう。
市電にも乗り遅れ、心もとない四三は、病身の監督との道中に、父ちゃんと嘉納治五郎先生に会いに行った幼少の出来事を思い出す。
「こんな私を監督と呼んでくれるのか」という大森監督を、おぶって会場に向かう四三だった。

嘉納治五郎先生は、オリンピック委員会会長のクーベルタン男爵と会談していた。
マラソン競技は前回のロンドンオリンピックでもアクシデント続きで「終わるまで落ち着かない」とクーベルタン男爵。
四三を宣伝し、「暑さにも強い“いだてん”」と説明する治五郎先生。

完全に遅れて、控室に入る四三。
ポルトガルのラザロ選手が、プレッシャーで靴紐がほどけているのに気づかないのを指摘する。
お礼を言われるものの、そもそも四三はまだ着替え終わってもいない。

そんな中、無情にも選手移動の合図が下る。
「ちょっと待って」と急ぎ階段をのぼる!

スタジアムの大歓声が、四三に襲いかかる!
係にスタンバイを急がされ、足袋のホックが止まってもいないのに、スタート地点に進む…。

走るのが楽しい四三

熊本では夜中まで宴たけなわだ。
「お静かに!もう始まっとるバイ!」と実次が四三に祈りをささげる。
酔っ払いと「自転車節」を歌い、応援するスヤ。

一方、ドタバタでスタートダッシュに出遅れる四三!
後方スタートに、心配する三島弥彦と治五郎先生は、声援を飛ばす。
「心配ありません」と大森監督は言うが…。

スタジアムを出走し、沿道で小旗を振る観客の中を抜けるランナーたち。
気温は30度以上、舗装道路から熱気が立ち上る。
スースーハーハーの呼吸で、息の上がった連中をどんどん抜かす四三!

「邪魔だ、ジャマだ!」の気持ちを、夜中の東京を駆ける朝太と共有する!

スタジアムの客席では、つまらない顔の日本選手団の面々。
フィンランド…スウェーデン…アメリカ。
現在3位までの順位の国旗がポールにあがる。

沿道のサポーターが配る水をかぶり、ひたすら走る四三。
のぼり道で盛り上がる四三は、熊本での山を駆ける登校時の気分だ。
実次の、東京高師の、車屋の清さんの応援が聞こえる気がする!

スタジアムでは、フィンランドの旗が降りて棄権を伝えていた。
治五郎先生は「黎明の鐘」と四三を盛り上げたことを、後悔しつつ心配する。

16マイル地点で、足が絡まり倒れる四三。
かつての四三少年が見えてきて、励ましている。
童心を思い出し、呼吸が整う四三。
折り返してきた選手とすれ違うと、ラザロ選手を発見!

四三少年に先導されるように、教会に着き、無事折り返し地点を通過!
下り坂にスピードが出てきた四三に野心が起きる。
ラザロ選手の後ろにつけ、張り付く!
カメラマン役のスウェーデン公使・内田定槌と通訳のダニエルがサポーターとして水を差し出すのに、気づかない。
ついに「失敬!」とラザロを抜かす!

暑い中、森を抜けたところで、ふらつき、力が入らなくなる!
自分が自分じゃないみたいだ。
日本の小旗で先導する四三少年が見えているような…。

遠くで「No!No!」と、ラザロ選手の声がするような…

消えた四三!?

1位、南アフリカのマッカーサー、2時間36分54秒。
2位、南アフリカ、ギッシャム。
3位はどうやらアメリカの選手らしい。

四三の羽田予選でのタイムは、2時間32分。
「4分も遅いじゃないか」と治五郎先生。
しかし、最後らしき選手の入場後も、四三は現れない。
「仕方ない」と大森監督。
しかし、弥彦によると棄権選手に四三はいないらしいのだ!

ゴールしていない、病院にもいない。
「まだ走っていてきっと帰ってくる」そう信じて待つ、治五郎先生とみんな。

東京で「やってくれますよね」と電報を待つ、永井・可児両先生と学生たち。
熊本で「とつけむにゃあ男」と語り合う、実次と重行、寝落ちしてしまったスヤ。

「いだてんは?」とクーベルタン男爵に聞かれ「消えました」と言うしかない治五郎先生。
手分けして病院をあたるが、日本人ランナーは見当たらない。
「今夜中に見つからなかったら警察に」と相談し、失踪か棄権かと悩む面々。

一方。
「四三さんは?」と飛び起きるスヤ。
明日か明後日の新聞に載らないとわからない、と笑われるのだった。

何も覚えていない四三

寝ていた四三は、安仁子に「お目覚め?」と声をかけられる。

そこに日本選手団の面々が帰ってきて「ヒョウ!」と安仁子が駆け寄る。
四三がいることに、一同は驚く!
体を起こし、ぼうっとスイマセンという四三。
「意気地なしが!大和魂は?!」と詰め寄る田島教授。
「おだまりなさい!」と慌てて安仁子が止める。
「スタンドで待っていたんだよ」と、四三が会場に現れなかったことを伝える大森監督。
「探したんだよ」と声をかける弥彦は「まさか、先に帰っているとは」と笑う。

呆然の四三。
擦り切れた足袋を眺めて、起き上がる。

無音の時間。

事態がまだつかめない中「負けた?負けは負けです、すべて俺のせい」と四三は頭を下げる。
「もういいよ、金栗君、休みなさい」と治五郎先生がなだめる。
…日差しが暖かく、スピードが出て、楽しくて調子よくいける感じだったのに。
「だったらナゼ寝ている?!」と騒ぐ田島教授。

実は四三を運んだのは、ダニエルと内田だった。
日射病で倒れたことを覚えていない四三。
スイマセンを繰り返し、嘆く。
「もういいよ」と肩を抱き、寝かしつける治五郎先生。

足袋を抱き、スイマセンとつぶやく四三に、誰も声をかけられないのだった…。

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大河ドラマ「いだてん」12話の感想

間に熊本のスヤ達の朗らかな光景や、東京の若き噺家朝太のコミカルなシーンが挟まったりもしましたが、やはり過酷な四三のレース環境に、見ていて辛くなる回でした。
ラザロ選手とのささやかな交流や、夢のように現れる四三少年の姿に、少しだけ癒されましたね。

大変な目に合った四三ですが、スタジアムで待っている面々も、なかなかにジリジリする状況でした。
旗の上げ下げしか情報がなく、ロクに言葉が通じない中、猛暑の中フロックコートの正装でただ待っているというのは、自分なら体験したくないな、と思ってしまいました。

最後、事態がつかめずに何とか言葉をつなぐ四三のシーンは泣けましたね。
さすが、中村勘九郎!という演技でした。

日本選手団の四三への反応は、まさにスポコン精神の黎明の鐘?!

スポーツ精神とかアマチュア魂などという考え方がなかった時代に、日本選手団の面々の反応はいろいろ極端でしたね。
ドラマ上、足を引っ張った大森監督は別格として、一番イヤだったのが「にわか」の、京大田島教授の無責任な熱意でした。
よくもまあ「意気地なし」なんて言えたものです。

安仁子に怒られていましたね!
弥彦の、笑って「見つからんわけだ」と言ってあげる懐の広さはさすがでした。
選手としての四三を一番理解して、快活にフォローしていました。

治五郎先生は「もういいよ」と、ただオウム返しに繰り返していましたね。
きっと「黎明の鐘」とプレッシャーをかけすぎたことを後悔して「ストックホルムの悲劇」にならなかったことに安堵しているのでしょう。

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