いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第43話「ヘルプ!」の、あらすじと感想をお届けします。
選手村の建設のために、何とか米軍の代々木基地を解放してもらうべく奮闘した田畑政治(阿部サダヲ)。

しかしオリンピック担当大臣となった川島正次郎(浅野忠信)に加え、国民の東京五輪への無関心や政治問題が、政治に立ちはだかります。
今回は1964東京五輪の2年前、ジャカルタのアジア大会まで、話が進みます。

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大河ドラマ「いだてん」43話のネタバレ!

オリンピックの広告塔

田畑政治の白羽の矢は、古今亭五りんに立つ。
オリンピック馬鹿の知識と語りが買われたのだ。
「しいて言えばオヤジが東京オリンピックのマラソン候補だった」と政治に説明する五りん。
岩田幸彰が「僕もヨット選手だった」と共感する。
「気に入った、合格!」と、政治は五りんをオリンピックの宣伝部長に任命する。
新聞でも『五輪募金、集まらぬ・宣伝不足がたたって』とあるのを気に病んでいたのだ。
「TVに出ると芸が荒れる」と始めは渋った五りんだが、療養中の志ん生師匠を元気づけようと引き受ける。

お茶の間にオリンピックの魅力を届けるTV番組『古今亭五りんの五輪に挑戦!』が放送。
「宣伝部長の五りんちゃんです!」とはりきって、日紡貝塚の女子バレー部を取材したりする。
河西昌枝にインタビューし、大松監督にボールでボコボコにされている様子に、笑っている師匠だ。

他にもオリンピック組織委員会は若者たちの面接をして、人材の確保に努める。
早大生の吹浦は「国旗担当」に志願する。
4年前の第3回アジア競技大会では、女子円盤投げの表彰式で台湾の国旗を逆さに掲揚する事件が発生。
松澤が選手団に土下座する騒ぎになっていた。
「あのようなことがあってはならないと国旗責任者に志願しました!」というので、政治が「合格!」と決める。

進む?迷う?オリンピック準備

聖火リレーのコースが森西栄一中心に決まっていく。
ギリシャのアテネ空港発、イスタンブール、バンコクなど各地でマラソンをして、占領下の沖縄に上陸する予定だ。
米軍とは交渉中だ。
最終ランナーは誰にしようと盛り上がる委員たち
フジヤマのトビウオこと古橋広之進か、女性ランナーとして前畑秀子がいいなどと話していると…。
政治の頭の上で、嘉納治五郎先生の肖像画が『金栗四三!』と話しかける。

その頃の金栗四三。
オリンピックを盛り上げる一環で、エチオピアのアベベ選手ら大物マラソンランナーが来日イベントに参加していた。
播磨屋の黒坂辛作に採寸してもらい、足袋をプレゼントされるアベベ。
「カナクリ・タビシューズ!」と気に入り、本番もこれで走ると、辛作と握手するアベベ。
「負けられんたい」と、聖火ランナーを目指して走っている四三だ。

農林大臣を待たせていた田畑政治。
今や政界の実力者になった河野一郎だ。
「津島さんをやめさせるのか」とケンカ腰の河野。
「それを言い出したのは俺じゃない、川島大臣だ」と返す政治だ。
“陽気な寝業師”こと川島大臣の裏工作に苦笑いする政治。
「確かに津島さんはおいぼれだ、だが、悪い人じゃない、むしろ俺は好きだよ!」と言うのだった。

それを陰で津島がきいているとも知らず…。
トイレで東都知事が田畑おろしのプレッシャーを川島から受けているとも知らず…。

「スタンドプレーが過ぎる」と警告する河野。
「政治家こそ名前をあげることに利用して、私物化じゃないか」と反論する政治。
川島はそんな小物じゃないと「オリンピック大臣は数あるアクセサリーの1つにすぎんよ」と、不気味なことを言う河野だった。

女子バレーがオリンピック種目に!

モスクワIOC総会に出席する政治。
女子バレーを正式種目に加えたいと、スピーチはまたもや平沢和重だ。
「世界的に女子の球技が盛んになっています」と攻めて、メダルを狙っているソ連を味方に付け成功する。
今度は開催月でもめる委員会。
「五月晴れの5月」と政治が主張するが、北欧から「冬が長くて選手は満足な練習ができない」と物言いがつく。

「昭和39年10月10日に決定しました!」とTVで発表している五りん。
“金栗四三の弟子子”と名乗るのに引っかかる今松。
「弟子の息子は孫弟子だ」と志ん生師匠。
今松と美津子は「古今亭志ん生の弟子だろ」と五りんに怒るのだった。
ちゃんと芸も磨いている、10月には師匠と二人会だとチラシを見せる五りん。
しかし師匠の回復は進まず、正座もできない状態だった。

バー・ローズ。
モスクワ土産にマトリューシカを持参して、政治は河野と飲む。
川島の暗躍で、政治の立場はますます悪くなっていた。
「津島おろしの首謀者は田畑」と言いふらされ、津島派が怒り心頭とのこと。
「川島は政治が好きなんだ」と懸念する河野。
自分も元政治部、高橋是清や犬養毅とも渡り合ってきた、川島の寝技なんかに屈しないと返す政治だ。

ジャカルタのアジア大会

1962年のアジア競技大会は、ジャカルタ開催だ。
インドネシアは国を挙げての準備に沸いている。
日本もオリンピックの前哨戦とばかりに、堂々252人の選手団で出発する予定だったが…。
国際問題が起き、田畑政治が窮地に陥るきっかけとなる。
台湾・イスラエルの選手に入国ビザが発給されていないことが発覚したのだ。
スカルノ大統領は中国・アラブ諸国と親密だったので政治を優先させたのだった。

重大な憲章違反だと津島、政治の介入は断固許さんと政治。
岩田が「インドネシアはビザも招待状も出したと言っている」との情報を取得し、ようやく選手団は出発する。
しかし日本の新聞は『台湾締め出しは疑いの余地なし』などと沸き、台湾は厳重抗議、イスラエルは大会中止を呼びかけていた。
「国際陸連がジャカルタの競技会を非公認とし、出場した選手は処罰する」との情報が来て、慌てる留守番組の岩田や松澤。
政治に連絡を取ろうとするが、国際電話がつながらない。

現地のホテルに入った東と政治。
通訳アレンによると現地の新聞では「2国を拒否していない」とのこと、日本の新聞が間違っているのかと悩む。
しかし2国の参加要求に、インドネシアは回答を先延ばししているらしい。
「JOCの名前にキズが付く、これは政治的な大会だ」と帰国を言い出す津島。
現地の国民感情や選手たちを案じて、出場すべきと考える東。
しかし、田畑政治の勘は何か裏があると訴え、躊躇していた。
3者の意見はまとまらず、ついに開会式を迎えてしまい、選手も騒然とする。
大選手団の日本が出場しないと、大会が成り立たなくなるという事情もある。

暴動が起き、暴徒が日本の出席を迫り、武器を持ってホテルに押し寄せてくる!
「何年もかけて準備した大会をつぶす気か」というわけだ。
そこで通訳のアレンが、政治たちを守る行動にでる!
暴徒の1人を背負い投げ!
「逆らわずして勝つ!」とつぶやくアレン。
「まるでインドネシアの嘉納治五郎だ」と感動する一同だ。

東京。
岩田は「なぜ選手団はボイコットしないんだ」とマスコミに責められる。
東京オリンピックを辞めさせられるかもしれないというわけだ。
「IOCはジャカルタ大会を“支援しない”と言っただけなのに」と岩田。
しかし日本の新聞は『スカルノ大統領に日本選手団が屈したら、西側諸国は東京五輪をボイコットする』と掻き立てていた。
「マーちゃんは大丈夫か」と心配する松澤だ。
岩田は、政治の「名もなき予選で敗退するような選手ですら、生涯自慢できるような大会にしたい!」との信念を思い出す。

ジャカルタ。
二の足を踏んでいる政治。
「オリンピックを取り上げられるんじゃ、元も子もないじゃん」というわけだ。
国際電話で「嘉納さん(の肖像画)、何か言っていないか?」と聞たりする。
帰国するという津島もめていると、電話の向こうの岩田のもとに、河野一郎がやってくる。
「何をしているんだ田畑は、オリンピック担当大臣も一緒なんだろう?!」と河野。
「川島がジャカルタに?」と驚く一同だ。

スカルノ大統領と経済協力を通じて懇意な川島。
暴徒の話を聞いて、「任せてください」と安請け合いしていた。

帰国したがる津島と政治たちがもめている時、川島が現れる。
「政府なら僕がいる」と言いつつも、高みの見物風の様子。
「帰りましょう!…と言ったら困るでしょう?」と、スカルノ大統領とズブズブの関係にある川島を責めるのだった。

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大河ドラマ「いだてん」43話の感想

なかなか順調にいかない田畑政治のオリンピック噺。
1964東京五輪までの道のりが長くつらい様子に「あと4話?!」とドキドキしてしまいますね。
今回も要所で嘉納治五郎先生の亡霊(?)が出てきて、なかなかスパイスがきいていました。

なんとインドネシアの通訳・アレンまで『逆らわずして勝つ』をマスターしているとは、感動のシーンでした。
田畑政治個人の考えなら、アレンの姿を見てすぐに「大会参加!」と決めていたでしょうね。
予算のないことや政府の協力が得られないことに苦労していた治五郎先生が、政治には今も身近に感じられているのだなと伝わってきました。

スポーツと政治は別!しかし悩める田畑政治

国際政治の中で煩悶する田畑政治が切なかったです。
戦後だからということもあるでしょうが「スポーツと政治は別」と主張は一貫しているのに、どうしたって情勢に振り回される様子が気の毒でした。
さすがの新聞社政治部出身といえども、国際情勢での落とし穴にはまった感じになってしまいます。

ジャカルタの国民感情・選手団の出場したがる思い、そして川島大臣がらみの国際政治の背景まであったのに、それでも次回の田畑には「辞任」の二文字が待っています。
川島もむしろ喜んで弾劾する様子、何だか憎たらしいですね!

いだてんの見逃し動画配信を見る方法は下記コンテンツに記載しています!

また1話から最終回のネタバレと感想もまとめていますのでよろしければあわせてご覧ください!

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