かなりリアルな展開で、ズシズシ心に迫るものがある「獣になれない私たち」。
初回の結末では、服装をがらっと変えて出社し、業務改善書を提出するところで終了となりました。
2話からの急展開かと気になります。
ここでは、2話のネタバレ(あらすじ)と感想を紹介していきます!
ドラマ「獣になれない私たち」2話のネタバレ(あらすじ)
少しずつ変わる現実
業務内容の改善要求書を社長に突きつけた深海 晶(新垣 結衣)。しかし、こんな要求は飲めないと逆に突っぱねられる。威圧的な態度に怯えながらも負けじと抵抗する晶におどろいた社長は、ついに尻尾を巻いて退散する。
一方、根元 恒星(松田 龍平)の足元で、経営者である勝俣(八嶋 智人)が倒産の危機にある会社のために粉飾決済された申告書に印鑑を押してほしいと土下座をしていた。どうやら恒星の事務所に行けば「どんなブラックな処理にも判子を押してくれる」という噂を聞いて来たらしいのだが、そんなことはできないと断られあっけなく追い返される。
その晩5tapに立ち寄った晶は、社長に自分の意思表明をした今朝のいきさつを、恒星やマスターに話していた。社内のPCオープンチャットで「晶がグレた!」と一気に噂が流れ恥をかいたものの、明日から社長が出張に出る3日間有給が取れ、さらには休み明けに改善要求書に対しての返事がもらえることになっていた。そんなやりとりの中、ふと恒星が「呉羽(菊地 凛子)は運命の人と出会った瞬間、鐘の音が聞こえるらしい」という話をする。一目惚れをしたことがなく、ましてや”恋に落ちる”という感覚さえ分からない晶は「恋に落ちた瞬間の鐘ってどんな音なんだろう?」という疑問が頭から離れなかった。
京谷の葛藤
家に帰り、花井 京谷(田中 圭)の母・千春(田中 美佐子)とラインのやりとりをしながら賃貸契約更新の紙を見つめる晶。付き合って4年にもなるのに何の進展もない京谷との関係にどこか満たされない思いでいた。一方、晶とのラインのやりとりの中で何かを感じた千春は息子・京谷に「晶さん仕事が大変そうだから、しっかり支えてあげるのよ」とメッセージを送る。しかしお風呂に入っていた隙に、元カノの長門 朱里(黒木 華)が悪びれる様子もなく京谷の携帯を盗み見し、その上「彼女、そんなに大変だったら仕事辞めちゃえばいいのに」と思いやりに欠けた言葉を放つ。「彼女は簡単に辞められる人じゃない」という京谷のひと言に頭にきた朱里は「私だって好きで辞めたんじゃない!」と叫び部屋にこもってしまう。京谷は深いため息をつきながら、いつまでも居座り続ける朱里の存在に手をこまねいていた。
晶の有給
有給1日目。目覚ましから解放された晶は朝寝を決め込んでいたが、同僚の松任谷 夢子(伊藤 沙莉)からの電話で起こされる。嫌な予感がしながらも電話に出ると、新人・上野 発(犬飼 貴丈)の担当の取引先から契約書が届かないとのクレームがあったと聞かされる。自分には関係ないと答えたが、上野がズル休みをしているため晶しか頼る人がいないという。仕方なく休み返上で出勤し、その足で自宅に出向き何かとごねる上野を優しく諭し、取引先へ契約書を持って行くように説得する。そんな晶の大人の対応に「深海さんの事を好きになってもいいですか?」と訳の分からない事を言い出す上野。どうやら好きな人がいればそれだけで会社に行くモチベーションが上がるからという理由らしいのだが、予想外の展開に戸惑う晶だった。
狂い出す2人の歯車
有給2日目。またもや松任谷からの電話で起こされる。まだ有給休暇中の晶は、今日は何があっても出勤しないと伝える。すると松任谷からは(晶の説得の甲斐あって)上野が出社し取引先に自ら出向いて契約書を持って行った事を知らされる。しかも「今日から深海さんは僕の女神だ!」との上野のKY発言のおまけまで聞かされ、またも朝寝を邪魔される。
一方恒星は取引先の会社で仕事を終えた帰りに、数日前に事務所から追い出した勝俣からの待ち伏せを食らう。倒産を避けるために銀行の融資がどうしても必要な勝俣は書類に印鑑を押してほしいと路上で土下座する。しかし恒星は「土下座をするような人が1番嫌いだ」と言葉を残しその場を去って行く。
朝は電話で起こされたものの出勤せずに済んだ晶は、お気に入りの呉羽のブランドの靴を履いて、以前派遣で働いていた職場のバーベキューに参加する。久しぶりの顔ぶれの中には京谷もいた。そう、そこは晶と京谷の出会いの場所でもあった。
周りに気を遣ってお肉を焼く晶の仕事を代わろうとする京谷。そこへかつての上司がやって来て、晶と京谷の思い出話を始める。
会社の飲み会でも職場で一緒に残業するときでも京谷がいつも晶を気遣っていた事。晶のサポートのお陰で京谷は沢山の契約が取れた事、そしてお互いの交際相手の悩みを相談し合い、いつしか親密になっていった事。そして派遣の契約が切れ送別会をしてもらった帰りに、京谷から初めてキスをされた事…いろんな事を懐かしんでいた晶だった。
しかし思い出話に浸りながら楽しい時間を過ごしていたのも束の間。京谷の後輩の「2人は同棲までしていてこの先安泰ですね!何で結婚しないんですか?」という発言に凍りつく。どうやら、京谷が以前「同居人のせいで家の電気代が上がった」と言った事を受け(元カノが同居人と知らない後輩は)てっきり晶と同棲していると思い、出た言葉だった。うろたえる京谷を見た晶は「冷房をつけっぱなしで出かけて怒られました~」「結婚はお互い忙しくて…まだなんです」と切り返しその場をごまかす。
ひと段落したのを見計らって場を離れる晶。焼き肉のタレで汚れたブーツを1人で拭いていると、京谷がやって来て「ごめん」とポツリと呟いた。「何の…ごめん?」と聞き返す晶に「俺をかばってみんなの前で嘘をつかせたこと」「ずっと待たせている事…ごめん」と静かに答えた。しかし晶の表情はみるみる曇り「他の人、好きになりたい…」と本音を漏らす。まさかそんな言葉が晶の口から出るとは思っていなかった京谷は慌てて晶を抱きしめる。しかし晶の両腕は京谷を抱きしめ返す事なく、空しくだらりと垂れていた。
これから設立する合同会社の定款書を持って呉羽の職場にやって来た恒星は、晶が知りたがっていた「運命の人と出会った瞬間の鐘の音」がどんな音だったのかを聞く。「聖アンデレ教会の音が一番近いかな」という呉羽の前で、すぐさまスマホで検索し始めた恒星。しかし呉羽はスマホで聞く音とは別物だからそんな事をしても意味がないと遮った。
一方、バーベキューでの一件で危機感を感じた京谷はその晩、いくつかの物件を提示し引っ越し代と最初の1ヶ月分の家賃を援助するから出て行ってほしいと朱里に提案する。しかし朱里は「仕事が決まるまでここに居ていいと言ったよね?」「それなら何でうちに来いと言ったの?」「京谷が言わなければ仕事を辞めなかった」と昔の発言を盾にして一切応じようとしなかった。別れて4年も経つのにいつまでも居座る朱里の存在は、京谷の頭痛の種であった。
夜、仕事を終えた恒星は5tapに向かう道中で今度は家族の写メを片手に懇願する勝俣と出会う。相変わらず土下座でごり押しする勝俣に「土下座すれば何とかなるなんて、ぬるい考え方しているから会社が傾くんだ」と冷たく言い放つ。そのやりとりを後ろから見ていた晶は思わず2人の間に入り勝俣をかばうが、恒星は「粉飾をしないと持たない会社なんて潰した方がいい」「会社を畳む手伝いならします」と言い残しその場を去る。
勝俣の登場で5tapに行きそびれた晶と恒星は歩きながら家路に向かう。そして別れ際に呉羽が言っていた鐘の音の話を晶に伝える恒星。すると自分と同じようにスマホで検索しようとする晶に苦笑し、呉羽が言っていた「携帯で聞く音とは違う、周囲が鐘の音で包まれる感じ」を実感するため、次の日に2人で教会まで足を運ぶのだった。
2人の時間
有給3日目。運命の人と出会った瞬間の鐘の音を確かめるべく「聖アンデレ教会」へ向かう晶と恒星。17時の鐘に狙いを定め教会の前で待ち構えるが、一向に鳴る気配がない。不思議に思った恒星が電話で問い合わせると「今は日曜の礼拝と特別な日だけ鳴らしている」と聞かされる。貴重な時間を台無しにしてしまい「何かすいません。付き合わせてしまって…」と謝る晶に「問題なし!俺も聞きたかったし」と答える恒星。後ろを振り返り、高台から眺めた夕焼けは少しだけ特別な時間になっていた。
思わぬ昇進
有給が明けて出勤してみるとオフィスはグチャグチャ、ゴミは溢れ、目も当てられない状態だった。そこへ社長も出社してきて約束していた業務内容の改善について言い渡される。これで少しは負担が軽くなると思っていた晶は「営業アシスタント」から「営業部の特別チーフクリエーター」に昇格するという辞令に愕然とする。業務内容の改善どころか更に責任のあるポストに任命され、再び不安で胸がいっぱいになる。
そして倒産の覚悟を決め再び事務所を訪れた勝俣に、破産せずに企業再生を支援してくれる弁護士を紹介する恒星。倒産以外の道があると知り、安堵の表情を浮かべ頭を下げる勝俣だったが「どんなブラックな処理にも判子を押してくれる」という噂とは全く異なる対応に最後まで違和感を隠せずにいた。
そして勝俣が去った後、今度は「今年もよろしくお願いします…」という言葉と共に怪しい金を渡す訪問者が…。封筒の中の札束を確認しながら「安っ!」と鼻で笑うと「どうしましょうねぇ」とヤバい仕事の交渉に入る恒星がそこにはいた。
ドラマ「獣になれない私たち」2話の感想
決して燃え上がるような激しい恋じゃないけれど、静かに心が変化していく展開が素敵だなぁと思います。京谷は優しい人だけど、いつまでも元カノとの同棲を解消しないでいると晶を失ってしまうことに早く気づいてほしいですね。
そして思わぬ昇進をしてしまった晶がこれからどうするのか?見物ですね!
まぁ、あのワンマン社長がどう考えても仕事を減らしてくれるなんて思えないし、あのビジュアルと息もつかせぬ関西弁でまくし立てられたら大抵の従業員は怯むと思うので、そんな社長に立ち向かって行った晶はある意味スゴイ!と思います。
そして物語の終盤で恒星がとうとう本性を見せてきたので、その辺りもワクワクします。
みんな何かを抱えながら一生懸命生きているのが、リアルに共感できて3話も楽しみです。
まとめ「進化と退化っていったい何?」
2人で教会へ行くシーンで「人間は脳が発達して考える力が増すほど直感は曖昧になってゆく」という恒星の台詞があるのですが、それは文化水準を上げて社会適応能力を高めるという観点からすると進化になるけど、鐘の音を聞く能力(直感)を失ったという観点からすると退化という見方ができる、という下りがとても印象的でした。
どちらが良い、悪いではなく物事は表裏一体であるということ。そして晶がこの退化した部分をどうやって取り戻していくのか…私自身もドラマを見ながら参考にしていきたいなと思います。