大河ドラマ「いだてん」の第8話「敵は幾万」の、あらすじと感想をお届けします。
いよいよ金栗四三(中村勘九郎)と三島弥彦(生田斗真)の2人が、ストックホルムに出発するまでが描かれます。
昨年から予告され、話題になっていた新橋駅のシーンが登場しますよ!
感動的な展開に、落涙間違いなしです!
大河ドラマ「いだてん」8話のネタバレ!
兄・実次、お金を届ける!
明治45年、オリンピック出発まであと1ヶ月。
旅費1800円が実次によって届けられた!
「あれが噂の誇大妄想の鬼の兄?」と騒ぐ学生たちは、金栗四三が強制送還かとざわめく。
四三は、兄が田畑を売ってしまったのかとオロオロする。
実は、春野スヤが、結婚の決まった熊本・玉名の庄屋、池部家に借金の口添えをしてくれたのだ。
「10里も走ったその先に何があるかは知らない、しかし四三にはその景色を見る資格がある」と熱弁の実次。
オリンピックの意義がよくわからないスヤの結婚相手と、その母を無事口説き落とし、1800円で田畑の売却に成功。
しかも、無償でその土地を耕作させてくれることになり、金栗家としては安堵するのだった。
貴重な札束に「なんて礼を言ったらいいか…」と感動の四三。
そこに「ちょっと待ったー!」と友人たちが駆け込んでくる。
「四三の兄はびた一文出さない」と聞いた寮生たちが立ち上げた四三の後援会で、寄付金を1500円まで貯めたとのこと。
誤解が解けるまでには、しばしかかる。
誤報の責任者・美川は『三四郎』で顔を隠し、逃げに入る。
「300円だけ出して、あとは持って帰っていただきたい」との学生の熱意を、ありがたく受け取る実次と四三。
拍手の一同。
満面の笑みでお礼を言う四三だった!
実次は四三のフロックコートを着てはしゃぐが「嘉納先生の選別」と聞き、大あわて。
また、可児先生・永井先生と飲み交わすなどドタバタしつつ、結局治五郎先生とはすれ違いなのだった。
永井は実次に「これから先、オリンピック選手が日本から何人出ても第1号は金栗四三。未来永劫動かない!」と熱弁をふるう。
万感の思いの四三は、スヤ宛ての手紙をなかなか書けないのだった…。
ストレイシープ
四三と美川で実次を東京見物に案内する。
赤ケットで浅草十二階に連れ出される実次。
こんな街で毎日走るのか、と東京を見渡し、富士山が見えることに感動する。
四三はスヤのこと思い出したり、弱気になったりと、心が落ち着かない。
兄上、俺は、生きて帰れるだろうか。
行程8200キロ、片道20日、言葉も通じない国だ。
マラソンも、体が丈夫になったところで、やめときゃ良かったか。
「今更弱音を吐くな、四三!」と兄は喝を入れる。
お前がいかなかったら後が続かない。100年後のいだてんも弱虫ばい!
心配するな、家族みんなで無事を祈っている!
感動し、うなずく四三だった。
実次は「勝とうなどと思うな、何も考えんでいって、走ったらよか!」と言い、帰っていく。
一方遊女・小梅を見かけた美川は、慌てて追いかけまわす。
“ストレイシープ”迷える羊だといい、小梅を救いたい!と迫るが…。
「迷ってないよ、ぎゃー行ってぎゃー行って」との言葉に驚く。
何と小梅は、熊本の阿蘇の出だったのだ!
わきで「うるせーなー」と孝蔵。
どうやら橘家円喬師匠との約束をしくじって、寝坊したらしいのだった。
母のことば
三島弥彦は天狗党に見守られながら浜辺で練習している。
大学は落第覚悟で「とことん兄貴とは別の道を行くよ」と弥彦。
理解を見せない母・和歌子は「弥彦は、三島家の恥じゃ」といいつつ、何かを縫っている。
遅くに帰宅する弥彦を迎える女中シマ。
弥彦は家族に黙って洋行するらしいと、心配している。
「話しても話さなくても結果は同じさ」という弥彦だった。
嬉しいことに、播磨屋で改良型足袋をたくさんと、日の丸のついたシャツを受け取る四三。
旅立ちまであと2日、いよいよ寮での壮行会だ。
酔った可児先生は、はなむけに、古代ギリシャの勇者の母のことばを送る。
『われらの希望に大いなる道を開く金栗四三よ!
勝たずんば盾に乗って帰れ
勝利か、然らずんば死を与えよ!』
少々引いてしまう学生仲間、顔色が悪くなる四三だった。
四三は美川にお礼を言う。
「高師を受けることを勧めてくれなかったら、ここにはいなかった。すべて美川君のおかげ、ありがとう!」
どよめく一同、焦る美川。
「…と帰って言えるよう、精一杯頑張ってくる。美川君も自分の道を究めてくれ」と付け加える四三に、返す言葉がない美川だった。
会の締めに四三からひと言。
「感謝し、精いっぱい戦ってきます!」
そして1曲と「自転車節」を歌い上げる。
『あーいたかばってん、あわれんたい~~』
その頃、熊本では、スヤが角隠しに鈴の音をさせて、嫁入り行列で池部家に嫁いでいくのだった…。
水浴びをしている四三。
何を見据えているのか。
「よし!」と気合が入る!
日本選手団、新橋駅を出発する!
明治45年5月16日
見送りの一同は徒歩で新橋へ進む。
選手2名の同行者は、嘉納先生と大森夫妻だ。
見送りには車屋清さんも混じっていて「足袋で走るのはお前だけだけど、俺も東京で走ってるぞ!」と声をかける。
一方“痛快男児”弥彦は、天狗党に付き添われ、カンカン帽に粋な背広で、車で乗り付けてくる。
日章旗を授与され、万歳三唱と楽隊付きの合唱に送られる2人と先生。
汽車が出発するという、その時。
「お待ちください!」と走り寄るシマ!
弥彦の母・和歌子と兄・弥太郎が連れ立って走っている!
「母上!弥彦、精一杯戦ってきます!」
「当り前じゃ、お前さんは三島家の“誇り”なんじゃから!」
シマが、和歌子の作った、日の丸付きのシャツを手渡す!
感激の弥彦は「行ってきます!」と何度も叫ぶ!
もらい泣きする四三。
「やっぱり我が子に関心のない親は、おらんですよ」とつぶやく。
男泣きの弥彦だった。
『新橋~敦賀~ウラジオストック~セントピーターズバーグ~ストックホルム』の17日間の長旅の開始だ。
「うんと暴れてくるつもり」と豪快な弥彦に記者たちは盛り上がらず、純情な四三はいい餌食になっている。
“日本運動会の全責任を負って”
“倒れてのち止むの大決心”
散々勝手にあおられた記事が、のちに新聞に載るのだった。
“…爽やかに笑った”と読み上げ、喜ぶ実次ほか熊本の家族たち。
緊張している四三にとって幸いなことに、学友の橋本君・野口君と可児先生が汽車に同乗していた。
四三は「知らない人に見送られるより何倍もうれしい」と喜ぶ。
しかし、何故か嘉納治五郎先生はのっていない?!
「乗れなかったよ!」と駅で吠えている治五郎先生。
「なして?」と動揺しまくる四三だった。
波乱万丈の旅は始まったばかりだ…。
大河ドラマ「いだてん」8話の感想
金栗四三と三島弥彦が、無事に出発したことにホッとして、感慨ひとしおです。
四三の決心のつけ方が興味深かったですね。
「国を背負って」とヒシヒシと迫っている緊張感を、春野スヤへの淡い失恋で補って、水浴びで気合を入れていたのが良かったです。
また、弥彦の方は予想外の、三島家の手厚いお見送りでした。
母・和歌子の泣き崩れる姿と「三島家の誇り」という言葉には、涙が止まりませんでした!
字が読めない和歌子奥様は、どこでオリンピック出場の意義に納得したんでしょうね。
女中のシマが頑張ったのかな、と想像してしまいます。
新橋駅で日本選手団が出発!しかし、嘉納治五郎先生は…
感動の新橋駅出発!で、これから17日間もの長旅が始まるのですね。
汽車の中では、金栗四三が借りてきた猫のような雰囲気なのに、弥彦は堂々としていて、違いが面白かったです。
やはり、お金持ちのご子息、汽車と記者には慣れている、ということでしょうか。
四三の方は、初々しくて記者もツッコミがいがあるという感じで、可哀そうでした。
ところで、疑問点が2つあります。
1.学生仲間の橋本君・野口君は何故乗車が許されたのか?どこまで付き添う?
2.嘉納治五郎先生は、何故乗れないで、可児先生にすり替わっていたのか?
橋本君・野口君は無賃で乗ってしまったのでしょうか?汽車の料金をどうするのでしょうね。
四三には、たからないでほしいな、と思います。
治五郎先生が遅れる理由については全く訳が分かりません。
数人に止められているような感じだったので、借金があるからとか、健康上のトラブルでしょうか。
次回のネタあかしが楽しみです。
感動の弥彦のシーンの後に、スカしたお坊ちゃまぶりと可児先生からの爆弾発言で、泣かせて転がす、引き締まっている脚本に、拍手を送りたいです!