いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第9話「さらばシベリア鉄道」の、あらすじと感想をお届けします。

題からもわかる通り、8000キロの旅を1話で語ろうというのだから、豪儀ですよね。

金栗四三(中村勘九郎)と三島弥彦(生田斗真)、大森夫妻(竹野内豊、シャーロット・ケイト・フォックス)のストックホルムに到着するまでの旅程が、四三の日記目線で描かれます。

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大河ドラマ「いだてん」9話のあらすじ(ネタバレ)!

新橋から敦賀まで汽車!

明治45年5月16日に東京・新橋駅を出発した日本代表一行!
8000キロ、17日間の旅だ。
嘉納治五郎校長先生は、手続きが間に合わず一緒には乗れなかった。
文部省が、公人としての治五郎先生が長期海外出張をする手配を急いでくれないのだ。
「手続きを待っていたら、オリンピック終わっちゃうよ!」怒る治五郎先生。

可児先生は、敦賀までで、治五郎先生に交代予定だ。
大森夫妻は新婚旅行気分でイチャイチャしている様子。
選手の2人は大人気で、各地で差し入れにサイン希望者などの大騒ぎだ。
四三はすっかり眠れず、日記を書く。
名付けて「盲目旅行国際オリムピック競技参加之記」だ。
汽車に揺られて悪筆だが…。

そこは、面白く語ります、と志ん生師匠。
「ストックホルム青春篇・開幕でございます!」と語るが、案内めくり要員の弟子・五りんは寝ぼけているのだった。
客席は大笑いだ。

敦賀からウラジオストック、シベリア鉄道へ!

5月17日早朝、敦賀に到着し、可児先生とはお別れだ。
記念の写真撮影は、四三・弥彦・大森夫妻の4人だ。
嘉納先生はまだ追いつかない。
2日間かけて船でウラジオストックへ進む一行。

5月19日、気温5度のウラジオストック駅に到着。
嘉納先生はまだ着かない。

シベリア鉄道の狭い2等車両に驚く四三と弥彦。
「うちの風呂より狭い」とはお坊ちゃまの弥彦の言葉だ。
ドイツ人の男性も相部屋となる。
緊縮財政なので「食事は自炊!」と大森監督。
大森安仁子が缶詰を持参し、差し入れの野菜で料理をしてくれる予定だ。
しかし相部屋のドイツ人に「ヤマモトダマシイ?」などと話しかけられ、意気投合する大森監督。
結局誘われて、食堂車に行ってしまう一行だ。
「ぼったくりのお値段」とぼやく安仁子。
豪快に飲み、ゲップする大男に敵対心を持ってしまう四三。
『ドイツ人は堂々、ロシア人は粗大、米国人は快活、フランス人は老獪』とは四三の見立てだ。
日本人は論外と、ドイツ人にビール代をおごる羽目になり、思うのだった。
夜は咳といびきがうるさく、眠れない四三。

咳つながりで…。
熊本の池辺家では、スヤのだんな様が、夜の咳がひどいようだ。
スヤが起きると、とうに義母はもう起きていた。
いよいよ厳しい嫁修行開始の、スヤだった。
そんなスヤも、新聞で見かける四三の写真を見かけて、ほほ笑む。
金栗実次が四三の絵葉書を見せに来たりするのだった。

シベリア鉄道。
日本人として紳士的に、と指導する大森により、1日窮屈なスーツにストレスを感じる四三だ。
ふんどし1枚の姿を安仁子に見せ、悲鳴をあげられたり。
三島が身支度に30分かかるのや、西洋人女性に軽薄なのにあきれたり。
安仁子の料理には出汁がなく、まずい味噌汁を我慢したり。
ストレスのたまっていく四三。

5月20日、満州ハルビンで途中下車のチャンス。
初代総理大臣・伊藤博文が撃たれた地だ。
降り立ってみたものの、不穏な雰囲気を感じる弥彦と四三。
ロシア軍人に囲まれパスポートをとられそうになったり、中国軍人ににらまれたり。
日本人の扱いが厳しいらしいのだった。

バイカル湖からセントピーターズバーグへ!

鉄道4日目、世界第一のバイカル湖に感動する四三。
零下の中も冷水浴続けて「ひあっ!」と叫んでいる。
2人とも、体がなまらないようにトレーニングをするが、他にすることがない。
何でもないのにケンカらしい雰囲気になったり、いびきでもめたりしている。

東京。
嘉納先生は、渡航申請1週間経過で、文部省に日参している。
「金も出さない、私も出さないとは?」と焦れ切っているのだった。

一方、弟子だか車屋だかわからない状態の、美濃部孝蔵。
ついに師匠の橘家円喬から、人形町の家に、車なしで来るように言われる。
弟子入りだ!
昭和の今でも、5厘の初任給を大事にとっておいている志ん生師匠だった。
その時初めて“朝太”という名前ももらったのだ。
「これからは三遊亭朝太だ」と、清さんや小梅に自慢する。
「今度はしくじるんじゃないよ!」と見送られるのだった。

シベリア鉄道。
5月26日、ちょうど行程の真ん中を過ぎる一行。
大森夫妻はラブラブぶりには、弥彦と四三はうんざり。
弥彦はナンパといびき、大森監督は咳がヒドく、四三はうんざりしていた。

『世は西洋人が嫌いなり。半かじりは尚嫌いなり。』
とは、四三の手紙の言葉だ。
可児先生と永井先生は「これは大森氏のこと」と、2人で笑い合っているが…。

実は大森氏は、相当な決意でストックホルム行きに臨んでいた。
彼の大和魂は「オリンピック式陸上運動競技法」の原稿にある、と治五郎先生。
練習法やフォーム、写真もある立派な資料だ。
アメリカはスタンフォードに経営の勉強をしにいったものの、体が弱かったので、体育に興味を持ったとのこと。
YMCAに入り、バスケ・バレー、そして大恋愛の末、安仁子を持ち帰ったのだ。
肺をわずらっているらしく、4年後の生存は無理、選手に迷惑をかけないので行かせてやってくれと頼んだ安仁子。
話を聞いて、感動する永井、謝る可児だった。

シベリア鉄道。
5月28日、大森監督の体調が回復せず、安仁子が自炊を中止したので、四三と弥彦は食堂車で最後の晩餐だ。
「大丈夫でしょうか?」と不安だらけの四三。
「走るのは僕たち、臆するないだてん!」という弥彦。
2人でご馳走をナイフとフォークでいただく。
「ワイン、トゥー、大至急」がボーイに通じ、喜ぶ四三。
弥彦に天狗党のエールをねだり「フレーフレー」を食堂車でやってもらう。
他のお客からも拍手が上がり、意気が上がるのだった!

ストックホルム到着!

6月2日・17日目。
最後の旅程、船でストックホルム到着だ!

大使館の内田公使が出迎えてもらい、馬車で進む一行。
街ではオリンピックを大人も子供も知っていて、心待ちにしている様子が四三の胸を打つ。
また、白夜に驚く四三だった。

スタジアム、もとい「スタディオン」は立派なお城のような建物だ。
広いことに感動した四三は、足袋で少し走ってみる。
弥彦は写真機を構えるのだった。
「日の丸の旗を揚げるぞ!」と改めて決意する瞬間だ。

高師の学生たちは、東京で旅程を勉強して“いだてんコール”で盛り上がる!
地図には、四三から届いた写真が貼られているのだった。
そして、嘉納先生は「何をやってるんだ!」と、役人に怒っているのだった。

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大河ドラマ「いだてん」9話の感想

金栗四三の日記が元ネタという設定の今回、道中記として面白かったです!

日露戦争のあと、このルートで旅をするのは、結構辛かったのではないでしょうか。
敵だった国を横断、しかもそれが初めての海外という、なかなかハードな四三と弥彦でした。

さらにビールはたかられるし、パスポートはチェックされるし、外国の印象が悪い思い出になりそうですよね。
それでも壮大なバイカル湖の風景に素直に感動し、零下でも水浴びをする四三がピュアな少年風で、可愛らしかったです。

弥彦の方は相変わらずの社交家で、安定の女たらしぶりが良かったです。

演出の大根仁が実際にシベリア鉄道を取材!

いよいよ海外ロケの成果が見られる時ですね!

今回はストックホルムのスタディオンが映っただけでしたが、少し苔むしていながらも現役の競技場の広々とした風景にジーンときました。

これがこのまま、明治45年にもあった建物だというから、感動です。

シベリア鉄道のシーンは本当に汽車がちゃんと動いているようで、食堂でグラスの水も揺れていたので、おおっ!と思いました。
でも、実際には食堂車はそのような仕様になっているセットで、しかも窓から見える風景はLEDスクリーンの映像なのだそうですね。

豪華な仕掛けです!

本当の景色にしか見えなかったのもそのはず、実際にシベリア鉄道に乗っての取材も行われていたんですね。
公式HPの取材記には、演出の大根仁がシベリア鉄道の旅でカメラを回していた様子や、食料を調達している様子が載っていました。

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