大河ドラマ「いだてん」の第16話「ベルリンの壁」の、あらすじと感想をお届けします。
金栗四三は何だか双方都合よく、足袋の播磨屋に居候することになりました。
播磨屋の店主・黒坂辛作の役者さんが三宅弘城に交代して、初めて姿を現しましたね!
一方朝太こと孝蔵は、ヤサぐれきって、逮捕までされる事態に陥ります。
ここから「志ん生師匠」と呼ばれるまでに盛り返すか否かの瀬戸際が語られる、16話です!
大河ドラマ「いだてん」16話のネタバレ!
四三の心機一転
大正3年4月。
ベルリンオリンピックを目指し、辛作とちょうの播磨屋2階に世話になることになった金栗四三。
「マラソン足袋」の売れ行きが良くて店が繁盛しているため、家賃はある時払いでいいと、かえってお礼を言う辛作だった。
富士山だか箱根の山だかが見える部屋をすっかり気に入った四三だ。
足袋の改良も、あて布やコハゼの数について相談に乗ってくれる、辛作。
「西洋人にも知られたら忙しくなるぞ、こん畜生!」とのことで、四三の金メダルを応援しているのだ。
四三は、講師の研究科に籍を置けることになったが、基本走り一本で邁進してく。
勝手に進路を決め、仕送りまでもらえることになり、池部家には心苦しく思っていたものの、豚鍋を仲間にご馳走するなど、金回りが良くなったと噂になる生活だ。
徒歩部を率いて、ひたすら走る四三は、熊本に「帝国のために尽くす所存です」などと、書き送るのだった。
いい天気の日、出窓で冷水浴をしようとすると…。
何と、向かいの借家に知り合いの女性が住んでいることに気づく。
三島家の女中・シマだ!
おヒマをもらい、ミルクホールで働きながら女高師への入学を目指すとのこと。
痛快男子・三島弥彦のいい影響だ。
上半身裸は天狗党で見慣れて許してくれるシマだったが、四三のふんどし姿には悲鳴を上げてしまうのだった。
シマの働くミルクホールに集う、四三と可児先生、嘉納治五郎先生。
シマの志を褒め、オリンピックのシンボルマークを四三に披露する治五郎先生。
ヨーロッパ・アメリカ・アフリカ・アジア・オセアニアの五大陸の結合と連帯が、五輪で表されている。
アジアが入っているのは三島弥彦と金栗四三の功績だ!
ただ、治五郎先生は一蹴するものの、サラエボでオーストリア皇太子暗殺事件が起きたため「オリンピック不参加」の話も上がっているのだった。
牢獄の孝蔵と円喬師匠の死
さて、浜松の孝蔵。
兄弟子・万朝とウロウロしていたが、文無しでウナギを食して宿泊してしまったため、お咎めを受ける。
万朝には逃げられ、牢屋に放り込まれる羽目になったのだ。
そこで罪人の布団代わりの新聞に驚く孝蔵。
「師匠~」と嘆き暴れる。
なんと、橘家円喬師匠が48歳で死去したとのことだった。
孝蔵は、バナナを恵んでもらったお礼に、罪人仲間に「文七元結」を披露するが、イビキをかいて寝られてしまう。
「長い話を大したもんだ、しかし、面白くはない」としか言われず、ショックを受ける。
「芸はもう1つだが、どこかおかしなことがある」と、アドバイスする罪人仲間。
バナナを食べる姿の方が面白い、さらに「何が面白いか決めるのは客だ」と言われ、勇んだ孝蔵。
次は「クサに取り組む」とタンカを切り、円喬師匠の顔を思い浮かべて演劇調で文七の噺をする。
「いいから持ってけこの野郎!」のセリフに、つい餞別に高級タバコをくれた円喬師匠の優しさを思い出し、本気で泣きが入る孝蔵。
やっぱり罪人は寝てしまったが、孝蔵は何か気合が入り、髪を切り始める!
席亭のちいちゃんが、孝蔵の釈放に、動いてくれていた。
酒屋の八百庄・庄吉にも掛け合ってくれたが、息子のまあちゃんが病気で、それどころではないとのこと。
季節の早いうちから水泳を始めて、腸カタルにかかってしまったのだ。
…志ん生師匠によると、このまあちゃんこそが、のちの「日本にオリンピックを招致した男」となる田畑政治なのだった…。
ちいちゃんにはお金の建て替えのお礼を、円朝師匠にはまたお世話になりますと、キッチリ頭を下げた、ザンギリ頭の孝蔵。
「寿限無」などで、笑いをとれるようになっていくのだった。
四三、新記録達成もスヤを断る!
真夏の海で“水しぶき走法”の訓練をして徒歩部仲間に「バカだなあ」と評される四三。
熊本に手紙で「2時間19分30秒の世界新記録を出した」と書き送る。
嬉しそうにスヤも、返事を書き送る。
新記録のお祝い、
中秋の名月のこと、
「世界の早いもの一覧」の新聞記事で、9位に四三の名前があったこと。
そして、お正月は帰省するかとの質問。
しかし、予選に向けて帰郷しない決心の、四三。
写真と共に「故郷の空、はるかにのぞむ」と書き送る。
「自転車節たい」と、互いの恋しさを見抜く池部の母と、笑い合うスヤ。
母の勧めで、スヤは上京する決心をする!
ある日、辛作に足袋の良さを満足げに伝える四三。
ところが何と、2階ではスヤが掃除をしていた!
スヤお手製の“いきなりだご”をほおばり「スヤが部屋におる~」と一瞬感動するも…。
スヤの笑顔を見て「帰って!」とすぐに続ける四三。
休まず懸命に頑張っているので、気を散らさないでほしいとのことだった。
「仕送りまでもらって、ここでくじけて堕落したくない」との決心を語り、再度「帰ってくれ」と言い、走りに逃げ出す四三。
顔色が変わったものの「帰ります」とスヤは静かに帰途に就くのだった。
熊本。
「実次!」と、金栗家に怒鳴りこんできた池部の奥様。
「嫁ば、泊めんで帰すとは」と、猛烈にお怒りだ!
「韋駄天だかジャコ天だか知らんが」と切れ味鋭いタンカに加え「オリンピックが終わったら玉名から一歩も出さん!」とおっしゃる。
平謝りに土下座し、四三に悪態をつく実次だった。
ベルリンの壁
スヤの状況と同じころ、二階堂トクヨが3年の留学から帰ってきた。
永井教授に大歓迎されるも、早々に体育協会の会議に出席するトクヨ。
治五郎先生の鼻息は荒いものの、「ベルリンオリンピック参加にはストックホルムの費用の10倍はかかる」との見積もりに、のけぞる面々。
しかしトクヨは「議論の意味を感じない」と言い出す。
治五郎先生はIOCより「この戦争は長く続かない」と聞いていたが、トクヨは「その情報は古い」と否定。
「犠牲者は過去最大、ドイツは敵国、選手の身に何があるかわからない」と、激しく語るトクヨ。
「政治とスポーツは別、スタジアムは聖域だ!」と叫ぶ治五郎先生。
四三や選手候補たちの努力を無駄にできない、と言い「国家だろうが戦争だろうが、若者の夢を奪う権利は誰にもないんだよ!」と吠えるのだった。
25歳にして選手として旬を迎えた四三。
しかし、ヨーロッパでの戦争は激化していた。
大正4年6月。
朝から顔を見せない四三を、窓越しに心配するシマ。
「そっとしといてやんな」と、辛作がシマに声をかける。
言い出しかねていた先生方についに宣告を受けた四三は、部屋にこもってひと暴れし、壁に頭をぶつけて嘆き悲しむ。
スヤは新聞記事「第六回オリムピック開催無期延期」を読んで、再び上京することを決めるのだった。
大河ドラマ「いだてん」16話の感想
金栗四三にとって、ベルリンオリンピックの中止は大きな挫折でしたね。
前半が希望に満ちて、世界新記録達成に盛り上がっていた分、史実を知っていてもガツンと来るラストでした。
ここでツレない態度にもめげないスヤの頑張りが発揮されるのですね。
「駅伝は金メダルの代わりに生まれた」という予告の、四三側からの出来事の直結ぶりがなんとも鮮やかで、ドラマ的展開とはいえ、ワクワクして来ます!
孝蔵の方も円喬師匠の死から憑き物が落ちたようになって、何よりでした。
しかし、四三とシマの再会、孝蔵と田畑政治の出会いは何だか出来すぎで、ちょっと苦笑いしてしまいました!
播磨屋の店主・黒坂辛作(三宅弘城)はコミカルでいい感じ!
ピエール瀧があんなことになって、三宅弘城が代打として演じることになった、播磨屋の辛作。
まさか、四三が居候したことで、こんなに出番が多くなる役柄とは知らなかったです。
役者交代も大変だったろうな…と思いますが、三宅弘城もいい味わいを出していましたね!
ピエール瀧の“大将!”というイメージに対し、三宅弘城が演じるとコミカルで、頑固さよりも江戸の仕事人らしいカラッとした気前の良さが見えていました。
ちょっと腰か低い感じがしてしまうのは、きっと朝ドラ「あさが来た」の亀助役の印象があるからですね(苦笑)。
いだてんの見逃し動画配信を見る方法は下記コンテンツに記載しています!
ドラマ「いだてん」が2019年6月2日より、総合テレビで毎週日曜20時から放送をしています! 「日本のマラソンの父」と呼ばれた日本人初のオリンピック選手の金栗四三と、東京オリンピック招致をした田畑政治の2人を主人公にした …
また1話から最終回のネタバレと感想もまとめていますのでよろしければあわせてご覧ください!