いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第15話「あゝ結婚」の、あらすじと感想をお届けします。

普通は、結婚は人生の分岐点だったり、再スタートだったり、はたまた墓場だったりするのですが…。

オリンピックを目指す金栗四三にとって、結婚は「寝耳に水」でしかない様子です。

四三がこの事態をどう切り抜けるのか、見ていきましょう!

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大河ドラマ「いだてん」15話のネタバレ!

緊急縁組!

金栗四三が熊本に里帰りすると、見合いの相手として待っていたのは春野スヤだった。
池部の奥様に挨拶され、「ばばば」しか出てこない四三。

病気がちで胃弱の池部重行は、オリンピックの夏に亡くなっていた。
結婚と養子縁組は、7人兄弟の6番目である四三にとってもいい話だったが、それだけではなかった。
ストックホルム渡航費で田んぼを池部家に売り、それを借りている立場の金栗家は、四三が池部家の旦那になれば大いに助かるのだ。
「見合いの席で赤裸々な話を」と動揺する四三は「田んぼと嫁は別問題!」と怒鳴って、ベルリンを目指していることをモゴモゴいうのだった。
「重行さんが亡くなったばかりだし、金栗さんにもご迷惑がかかる」と駆けだしてしまうスヤ。
「薄情者」と実次に攻められてしまい、立つ瀬のない四三だ。

「のぼせなさんな、欲しいのはスヤさん、あんたじゃなか」と、四三に言い出す奥様。
重行が亡くなってスヤは里に帰り、大きなお屋敷で一人の奥様は寂しいのだ。
実次の勧めでこの話に乗ったのは、生気のあるスヤが好きで、スヤと暮らしたいためだった。
感動したスヤは戻ってきて「お母さん」と奥様に泣きつく。

祝・結婚、そして遠距離

金栗家の緊急家族会議。
「めでたか!これからは旦那さん」、「金栗家の救いの神」と、すでに盛り上がっている家族。
往生際が悪い、明後日には祝言だ、そうでなければ金栗家は破産、と、逃げ道はない四三だった。
ベルリンを目指す、訓練に集中したいと切々と語るも、実次に押し切られる。
「好きにせい、そのためにスヤさんと結婚せい」と、池部家をタニマチ扱いにする流れだ。
「おまえはスヤさんを好かんとか?」と実次に聞かれ、グサッとくる四三。

池部家では四三を好かない奥様と、「四三さんじゃないとこの話はお仕舞」というスヤが話し合っていた。
スヤは四三を好いていたのだ。

四三は水をかぶりながら昔を思い出し、「自分はスヤのおかげで体だけは丈夫!」と、決意を固める。

大正2年春、池部家の養子になり、スヤと結婚する四三。
「高砂や~」をとちりながらも歌う実次。

新婚初夜。
「春休みで帰省して、こぎゃん大変なことに」と、スヤに本音を漏らしてしまう四三。
寝室でスヤが近寄ってきただけで、慌ててしまう。
布団に入っても重行のことを話題にするなど、ぎこちない2人。
四三はオリンピックが大事、スヤはお母さんが大事、と話す。
「じゃ、お互い頑張りましょう」とまとめて、寝たふりをする四三だった。

翌日、四三は上京を急ぐ。
急に使用人に囲まれて旦那様扱いとなり、ぎこちなくスヤと別れ、船に乗るのだった。

バカな夏の過ごし方

大日本体育大会にとっては、金栗四三の話より、借金問題の解決が急務な状態だ。
嘉納治五郎先生は焦れているが、岸理事たちは「ストックホルムの惨敗が」、永井教授は「学校体操教授要目」推進をと、とうるさい限りだ。
嘉納先生と可児先生と3人でお茶に出るも、先生方の愚痴ばかりで、結婚の報告もできない四三だった。

夏。
炎天下36度の浜辺で「耐熱練習」をする四三。
倒れても起き上がって走り続ける。
「次のオリンピックまで夏は2回しかない!」と、ストックホルムの屈辱を糧に、何度も立ち上がる!

一方の美濃部孝蔵の一行は、浜松に到着。
小円朝師匠の前座役の孝蔵は、大ネタの「付き馬」を語るが、お客は盛り上がらず、楽屋では博打にうなぎの生活だ。
ちいちゃんという宿の女将と親しくなって、ダレ切っている孝蔵。

常連の少年・まーちゃんに出来を聞くと「覚えていたのは偉かった、面白くはない」と言われてしまう。
小円朝師匠にも「お客は沸いていない」と言われ、大げんかになる。
「出ていけ」と言われ、どうなったのか…。

弟子仲間と浜辺に転がっていた孝蔵は「浜名湾の河童軍団」の少年たちを見かける。
浜名湾流という方式で、水泳に励む浜松中学の学生たちだ。
合宿の締めは16キロの遠泳とのこと。

……との話を急に志ん生師匠からふられた、五りん。
「金栗と河童軍団、どちらもバカ」とまとめるのだった。

バカよろしくスヤのためにも励む四三。
1ヶ月後には40キロの炎天下を、倒れずに走り抜けるようになる!

四三の決意、騙された池部家?

大正3年2月。
もうすぐ最終学年の修了だ。
橋本・平田などの徒歩部仲間も教員として地方に散ってゆく。
四三は…。
教員にはならないし、熊本にも帰らないという内容の手紙を、熊本に書き送る。
『破談にしていただいて結構、退路を断ってベルリンに臨む』というのだ!

2年半みっちり訓練し、最高の状態でベルリンに行く!と四三。
友人・野口も「オリンピックを目指します!」と言い出す。

ところが校長室。
教員にならないという四三を、怒鳴りつける永井先生、2年間無給なのを案じて熊本の勤務を勧める可児先生。
生半可では、オリンピックでの勝利は無理と、決心の固い四三はくじけない。

靴を脱がせ、夏冬走り続けた血豆だらけの裸足を見て「教員には不合格」という治五郎先生。
「こんな足では、世界一のマラソン走者くらいにしかなれない」と言い「走れ!」と励ます。
笑顔になる四三。
「プロフェッショナルのスポーツ選手・第1号になりたまえ!」との治五郎先生の言葉だった。

熊本。
「実次、出てこい!騙された!」と、お怒りの池部の奥様。
しかし、スヤは『私は理解しました、お母様は話が違うと騒ぎますが、宿願達成までの辛抱だから』と返事し、腹をくくってくれる。
スヤのおかげで、池部家は主人不在で、まわっていく。
四三は『これを励みに日々精進します、スヤさん』と書き送り、“スヤさん”の一言でホッコリしてしまうスヤだった。
冷水浴を勧められ、試してみるスヤ。
「ひゃー!」と夫婦の声が、東京と熊本で二重唱になる!
「気持ちよか!」と晴れ晴れ叫ぶ、スヤだった。

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大河ドラマ「いだてん」15話の感想

春野スヤとの祝言も早々に、逃げ出すように上京してマラソンに励む金栗四三。
何だか縁組みのいいところだけ取っている感じで、ちょっと憎らしかったです。

教職にもつかず、本当に走ることにしか関心がない四三は、確かにかつての三島弥彦よりもずっと大バカ者という面はありますね。

それでも、四三が「オリンピック選手」1号であると同時に、プロフェッショナルのスポーツ選手としても先駆者だったことを改めて知って、感心してしまいました。

嘉納治五郎先生が、四三の裸足を見てそれを公言し、永井・可児の両先生を黙らせたのも、良かったです。
でも、治五郎先生の衣食住の安請け合いは、信用しにくい気がしますね!

金栗四三と春野スヤの結婚生活は、時代の最先端?!

新婚早々、遠距離恋愛状態になってしまったスヤが、何だか可哀そうでしたが、晴れ晴れと誇らしげなので、まあ、これもアリなのかな、という気分にさせられました。
しかし女性なのだから、なにも冷水浴で脱がなくてもいいのに、見えないながら視聴者サービスでしょうか(笑)。

あくまでドラマの中のスヤの気持ちを考えてみると、見知らぬ他人よりは、昔好きだった四三との再婚が良かったのですね。
早々に四三と遠距離になったのも、亡き夫の痛みを忘れるために、ちょうど良かったのかもしれません。

大正初期の夫婦なのに、まるで現代の多様化した夫婦関係のような四三とスヤが、「遠距離ではぐくむ愛」という感じで、不思議に魅力的な回でした。
ただし、史実でもベルリンオリンピックは中止となるので、「2年の辛抱」で終わらなそうなのが、気の毒なスヤと池部家です。

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