いだてん東京オリムピック噺

大河ドラマ「いだてん」の第39話「懐かしの満州」の、あらすじと感想をお届けします。
主役のはずの田畑政治も金栗四三も、オリンピックだって今回はお休みモードですね。
いよいよ戦禍の満州での、志ん生師匠と五りんの父・小松勝とのいきさつについて語られます!

スポンサーリンク

大河ドラマ「いだてん」39話のネタバレ!

酒のための満州?!

五りんの彼女・知恵は、志ん生師匠が意識不明と信じていたが、酒を楽しみに待つ様子にあきれてしまう。
しかし、五りんが買ってきたのはウォッカだった。
「ウォッカには満州でひどい目にあった」と語り出す師匠、満州にいたことがあるらしい知恵だ。

・ ・ ・

昭和20年、終戦3ヶ月くらい前。
「1ヶ月満州に」と慰問興業に誘われた志ん生こと孝蔵。
圓生への対抗心と、お酒が飲めると聞いて満州行きに飛びついてしまう。
家で長男の清の「少年飛行士に志願する」との話を師匠ぶって一刀両断し、自分の慰問のことを切り出す。
「飲めるからだろ!」と怒る、妻のおりん。
しかし、娘たちには「行かせてあげなよ、役に立たないし」と意気地なしを見抜かれていた。
空襲警報が続く中、「達屋でね」と送り出される。

5月、大連から満州入りした志ん生は、戦時中と信じられない賑わいに驚く。
軍隊の慰問、日本人への講演など、禁止演目もなく大盛況で、極楽だ。
そんな中、五りんの父・小松勝が訪ねてきた。
圓生のことは色男と褒め、「志ん生は走りの演技がなっていない」と難くせをつける。
スースーハーハーを実演し、マラソンの教本を押し付ける小松を、邪険にする志ん生。
しかし、小松の行った沖縄陥落の話を聞き、しんみりしてしまうのだった。

慰安興行先での敗戦

7月、奉天。
のちの大スター・森繁久彌に世話になっている圓生・志ん生だ。
重油不足で帰国船が出ず、滞在は既に3ヶ月になっていた。
ソビエトが攻め込んでくる、大連が最前線になるという噂で、日本人は逃げ支度で大騒ぎだ。
そんな中、小松と再会した2人。
なんと沖縄行きの直前に、隊長が戦局を察して「妻子あるやつは逃げろ!」と言ってくれたとのこと。
大連に戻る2人に同行したがる小松だが、圓生が「逃亡兵は困る」と断る。

その時、中国人が日本人を殺そうと拳銃をぶっぱなし、志ん生たちにも狙いをつける!
志ん生・圓生をかばう小松!
実はその中国人は、以前日本人に邪険にされていた頃に、小松が絵ハガキを買った人物だった。
「次は殺す」と言いおき、見逃してくれる。
命拾いしたことで、連れだって8/15の玉音放送を大連で迎えた3人だ。
ここから立場が逆転し、日本人の店は中国人に叩き壊され、寄席もメチャメチャになる。
逃げ出した興行師の「ヲトカ」…ウォッカをがぶ飲みしつつ、寄席に身をひそめる3人。
身の上話や子供の話を語り合う。
「息子の高座を聞くのが楽しみ」と孝蔵。
小松のマラソン話を聞いて『富久』の久蔵だと圓生、「走りたい」と嘆く小松だった。

翌日、ソ連軍侵攻を目前に、100人近い客が荒れた寄席に集まった。
服毒自殺した女性たち、捕虜の話などでみんな暗く、「せめて笑って死にたい」と語っている。
「受ける気がしない」とおびえる志ん生を置いて、「お先に」と圓生が『居残り佐平次』を語る。
満州居残りとかけて、「カッポレ」で客と拍子をとって、大盛況だ。
途方に暮れる志ん生に、小松が『富久』を所望する。
久蔵を芝から走らせようとの提案に反発しながらも『富久』を始める志ん生・孝蔵。
元ネタの日本橋を芝に入れ替えて、スースーハーハーも取り入れて噺を進める。
テンポの良さに客も盛り上がり「浅草から芝まで」を「日本から満州?!」とまぜっかえして拍手喝采だ。
圓生も感心し、小松は涙を流して笑顔で走るふりをしてしまう。
思わず外を走りたくなり、夜道に出て、マラソンをする小松。
『志ん生の富久は絶品』と例の絵ハガキに書き、ポストにいれようとする。
その時、ソ連の兵士たちの乗った車が近づく。
思わず逃げる小松!
「日本人か?!」と一斉に追いかけてくるソ連兵!
「そこに俺の家があるんだ!」と志ん生の噺が続いている中で…小松は銃弾に倒れてしまう。
後に駆け付けて「起きろ、久蔵!」と、亡きがらを抱き起し、嘆く志ん生だった。

終戦後の大連にて

志ん生師匠の話を真剣に聞く五りんを知恵が気遣う…。

・ ・ ・

戦後の播磨屋。
リクは服づくりに精出し、金栗四三は芝から浅草まで、闇市で野菜を仕入れに走っていた。
そんな中、リクのもとにハガキと使い古したマラソン足袋が届く。
「いっぱい走ったんだね」と言って四三に差し出し、泣き崩れるリク、ハガキの内容を気にする息子。
嘆く四三は、しかし、息を整えて、街を走り出す!

ソ連軍侵攻で日本人にとっては散々な大連。
「死ぬなら酒で」とウォッカをがぶ飲みする志ん生を、水をぶっかけ、たたき起こす圓生だ。
2人は引き上げ船に乗りやすくなるからと、現地で偽装結婚することにする。
小唄の師匠をつかまえた圓生は良かったが、志ん生の相方・年増の金持ちはうわばみで、酔えば大トラの大変な女だった。
押し倒されかけて逃げ出し、路上で乞食のような状態で、船を待つ志ん生だった。

帰還する者

昭和37年。
妻娘たちがやってくると、慌てて酒ビンを隠そうとする五りんと志ん生師匠。
なんと、圓生師匠もお見舞いに来てくれた。
意識不明のふりをしている志ん生、ちょっと覗いている酒ビンでウソを見破った圓生。
妻娘が嘆く中、「女のことバラしましょうか?」と耳打ちする。
慌てて飛び起きる志ん生。
一転、ベッド周りは嬉しい嘆きで騒がしくなる。

・ ・ ・

終戦後の東京。
志ん生の長男・清は、高座に上がれば父のことを聞かれ、応援される日々だ。
万潮ら仲間内ではもう生存を危ぶんで、志ん生と圓生の名札を外そうかと話していた。
「清ちゃんに6代目志ん生を」と相談されたおりんは「志ん生はもうたくさん!」とキレてしまう。
いい占い師がいるからと言われて、おりんが相談しに行ったのは、バー・ローズのママだった。
「残念だけれどあきらめた方がいい」と言われてしまい、肩を落としたおりん。
松澤元監督たちと再会を喜ぶ田畑政治とすれ違う。

昭和22年1月。
やっと大連から引き上げ船が出ることになった。
「二度とくるか」とタンカを切りつつ船に乗る、みすぼらしい身なりの孝蔵。
土産物としてウォッカを売っている、中国人風の美川秀信にケンツクをくらわすと、逆に呼び止められる。
孝蔵の初めての高座を、遊女・小梅や車屋・清さんと聞いたと言うが「知るか」と一刀両断する孝蔵だ。
一方、裕福な身なりの圓生は大連に残り、2ヶ月後に女性と分かれて引き揚げることになる。

「久しぶり、生きてんじゃねえか」と東京に帰ってきた孝蔵、うれし泣きの妻娘たち。
また貧乏に逆戻りだが「今度は日本みんなが貧乏だ」と、高笑いする孝蔵。
志ん生帰還の高座は、拍手喝采で始まる。
やはり最初の噺は『富久』なのだった。

スポンサーリンク

大河ドラマ「いだてん」39話の感想

今回は満州編として、戦後約2年までが語られ、田畑政治は主役なのに生存確認だけという状態でしたね。
太平洋戦争が1回で語りつくされたのには少し驚きましたが、播磨屋の面々は無事だったようで良かったです。
浮かれ気分で慰問興業を打っていた時点から終戦、逃げ惑うことになる志ん生師匠の人生は波乱万丈でしたね。

ウォッカで自殺未遂、さらに辛かったのが偽装結婚から逐電した後、というのが孝蔵らしかったです。
孝蔵が必死に引き上げ船を待っている間、ローズのママがおりんに「死んじゃった」と占っているのには、お決まりの苦笑いでした。
美川はたくましく大連に居残っている様子でしたが、またどこかで登場しますよね!

最終章を前に、志ん生師匠と小松勝のいきさつが解決、恩人でもあった!

大連や満州での出来事が志ん生師匠と小松勝を中心に語られ、現地での切実さがひしひしと伝わってきました。
なんと走りの演技指導をされ、命を救われ、ウォッカを酌み交わした仲の「小松勝」の名前を聞いていなかったのか、ウォッカで失念していたのか。
実は意外に深かった志ん生と小松勝、そして五りんの縁でした。
少し謎めいていましたが、死ぬ直前の小松は絵ハガキをポストに入れる暇がなかったようなので、志ん生か圓生が遺品の足袋と一緒に送ったのでしょうね。

さて、次回から本格的に1964年の東京五輪へと話が移っていきますが、安藤サクラや浜野謙太たちに加えて、なんと金メダリストの北島康介も登場します!
楽しみですね!

いだてんの見逃し動画配信を見る方法は下記コンテンツに記載しています!

また1話から最終回のネタバレと感想もまとめていますのでよろしければあわせてご覧ください!

スポンサーリンク