3月9日の「イノセンス 冤罪弁護士」第8話のあらすじ・ネタバレと感想をお届けします。
今回の案件を持ち込むのは懇意にしているTV局の有馬聡子、しかも事件は24年前で「死刑囚の再審請求」という難問です。
黒川拓と和倉楓はこの事件と向き合うことを決めますが、数々の邪魔が入るのです。
それではあらすじを見ていきましょう!
「イノセンス 冤罪弁護士」8話のネタバレ!
依頼人はTV局の有馬?
有馬聡子から届いた「ドキュメンタリー24・東央大学殺人事件」のDVDを、成り行きで黒川拓にとられてしまった、和倉楓。
その有馬が、“再審請求”の絡んだ案件を持ってくる。
24年前の「イトエ電機社宅殺人事件」で、現在死刑囚として東京拘置所にいる式根大充を救いたい、という話だ。
「無実の式根さんを支える会」の代表・玉造氏によると、事件は風化して支援者は減り、しかも4度まで再審請求を頑張った担当弁護士も亡くなったとのこと。
式根大充も62歳。
有馬とは9年来手紙のやり取りをしているが、最近ではガンを病んでいて余命が危ぶまれているのだった。
事件は平成7年12月23日、社宅のクリスマスパーティで起きた。
8人が苦しみ6人が死亡、原因のシアン化カリウムは式根大充が持ち込んだシャンパンに混入していた。
自白を根拠に死刑判決、式根は「自白は警察に強要された」と主張したが、9年後の最高裁で死刑が確定したのだった。
式根と面会する拓と楓。
式根は再審請求を望んでいなかった。
裁判で有罪が確定した日から死んだも同然で「希望は毒」と言う。
体もかなり辛そうな様子を見た拓は、所長に難色を示されても事件に取り組む決意を固める。
亡くなった塩川弁護士の資料を調べると、式根の逮捕理由は単に、
・シャンパンを用意した
・現場に長くいた
くらいの根拠しかなく、外部の人間にも犯行は可能だ。
しかも、式根の自白後には、住人の証言内容が変わっていることも気になる。
確かにシアン化カリウムの入手しやすい職場だったが、管理はずさん、入手可能な人間は他にもいる様子だ。
現場検証に向かう拓、楓、城崎穂香。
毒物のびんが捨てられていた現場は、かつては不法投棄が盛んな沼地だったが、今では公園に整地されていた。
社宅に住んでいた当時の証言者たちも、当時のことは話そうとしない。
事件のことを忘れたがっている、真実よりも安心を求めているような雰囲気だった。
しかも、松ケ下玲子・式根の娘も「父に関わる気はない」と言う。
「死刑囚の娘」として辛い思いをしてきた、これ以上苦しめないでと嘆くのだった。
式根本人に異変が!
大量の資料を読み込む拓、楓。
楓は『玲子が「もうすぐ死ぬ」と泣いている女の子を慰めた』という記述に注目する。
拓は、見当たり捜査の資料に違和感を持っていた。
秋保に調査を依頼すると、17枚の写真のうち1枚目以外は順番が変、日の当たり方から検分のルートが不自然だと判明する。
つまり、ビンの捨て場所を知らない式根に、警察がわざわざゴールからたどらせて、犯行ルートをねつ造した証拠だ!
有馬は冤罪を訴える番組を作り、拓たちは再度、式根に再審を勧めることを決める。
しかし秋保は、冤罪を晴らすのは終わった事件を蒸し返すこと、喜ぶ人間ばかりじゃない、と言うのだった。
有馬の制作した番組が流れ、世論の動く可能性が見えてきた。
別府所長には指宿検事から実質上の脅しがかかる。
そして式根の娘・玲子には、マスコミから取材の猛攻が始まる。
反響を喜ぶ有馬、再審の同意は取った、と意気込む楓、しかし、浮かない顔の拓。
その時、玲子が事務所を来訪、いきなり有馬にビンタする!
マスコミに追われ、職場でも近所でも迷惑しているとのこと。
「中途半端な正義感で振り回さないで!」と泣くのだった。
有馬は居酒屋に秋保を呼び出し、愚痴をこぼす。
11年前の「人の気持ちを土足で踏みにじる行為」との秋保の言葉を気にしている。
自分の使命は「真実の報道」と思っている、しかし玲子を傷つけたことで、昔と同じだと悔やんでいる。
「変わっていないことに問題はあるか?」と秋保。
「あのドキュメンタリーは憶測ばかりで検証も足りなかった、しかし熱意は否定しない」とフォローする。
「なら、優しくしてよ」と有馬。
感情と理性は別だ、という秋保だった。
式根が倒れたと聞いて、駆けつける拓と楓!
ベッドで明るく話す式根は、娘の“10歳”の誕生日会や自転車のことを語る。
「喜びますよ」と話を合わせる拓。
“拘禁反応” …死刑囚として長期間死の恐怖を受けていて、妄想や記憶の混乱が見られる症状だ。
拓は壁に頭を打ち付けて煩悶する。
有罪判決の後自殺した幼なじみのことを思い浮かべているのだった。
式根が“拘禁反応”前に有馬に書いた手紙には『ありがとう、私はここから出たい』と再審請求を望む言葉があった。
悔やみきれない、みんなだ。
実験から示された、24年前の新事実
再審に持ち込める新事実が欲しい、と拓。
有馬は取材を続け、弁護士たちは資料を再度精査する。
「沼地にお化けが」という手紙を気にする楓。
以前見つけた「泣いていた女の子」という記述を探し出す!
拓は何かをひらめく!
写真、プリズム、影…
ものすごい証拠かも!と興奮する!
現場に行き「この場所だからお化けを見たのだ!」と拓は盛り上がる。
玲子を訪ね、「お化け」のこと、泣いている女の子の話を聞くのだった。
体育館での検証実験。
松ケ下玲子と、当時11歳の証言者だった榛名由美が呼ばれる。
沼地が再現されている状態で電気を消し、霧状の水を放射。
ライトを用いると、虹色を背負った大きな影が浮きでる!
驚き慌てる由美。
秋保が「ブロッケン現象」について解説する。
自分の影が霧に大きく浮かび上がって、お化けのように見える現象だ。
事件当日の午後4時から4時半の間に、問題の沼地でも起きていたことが、データからわかる。
拓は指摘する。
由美の「自宅にいた」という証言は嘘、実際は沼にビンを捨てに行って「お化け」を目撃し、玲子に慰められたのでは?
「ごめんなさい!」と頭を下げ、玲子に謝る由美。
その日、由美は母に言いつけられて、ビンを捨てたのだった。
母は荒れていた父を殺したくて、このようなことをたくらんだのだと、事件ずっと後に気づいた由美だった。
「私の24年は何だったの!」と玲子。
父を犯人と決めつけて恨んできた時間を思い、嘆くのだった。
棄却!司法の無情な判断
非公開の再審請求審で証言する由美。
由美の母は式根と同じ課でパートをしていたので、シアン化カリウムを入手した可能性はあるという。
「何故黙していたのですか?」と裁判官。
「罪悪感にフタをして、事件を終わったものにしたかった。
母のためにも知られちゃいけないと思った」と、泣く由美だった。
最後に拓が語る。
「由美さんが証言をしてくれたのは、敷根さんと娘さんを思ってのこと。
事件は2人の間では風化していない。
式根さんは無実です!
24年間は取り戻せなかったとしても、この先の未来を奪ってはならない
真実に即した決定が下ることを強く望みます!」
…数日後、イトエ電機社宅殺人事件、再審請求認めず、との判決。
“理由:無罪を言い渡す明らかな証拠を新たに発見したと認定できない”との通知だ。
有馬は、式根の手紙を読み直しつつ、苦さをコーヒーのせいにするのだった。
楓は、車いすの式根と、玲子の面会に付き添う。
涙ながらに、アクリル板越しに手を合わせる2人。
「すまない、苦労をかけた」と謝る式根。
「信じることができなくてごめんなさい!」と泣き崩れる玲子だった。
拓は、雪の中、裁判所の前にたたずんでいた。
目を赤くして、しかし涙は流さず決意を固めているのだった。
「イノセンス冤罪弁護士」8話の感想
24年前の事件の真相を科学的検証で導き出すとは、ドラマながらすごいことを考えたな、と圧倒されてしまいました。
それでもやはり、再審請求は棄却。
しかも、あえて警察の実況見分の不備は指摘せず、当時を再現した検証-関係者の自発的証言と進めていったのにダメだとは。
関係者の苦しみが、ヒシヒシと伝わってきました。
これが現実なら、特集を組んだ有馬たちも叩かれ、玲子もさらされるだけで終わりになってしまい、ひどい結果です。
しかし、ドラマとしては、このように「主人公が挫折する時もある」というストーリーにはすごく親近感がわきました。
リアルさを感じ、拓や楓あるいは有馬が、失敗しながらもくじけない姿に惹きつけられ、励まされます!
大人の雰囲気のカップル・有馬聡子(市川実日子)と秋保恭一郎(藤木直人)がいい!
有馬と秋保は、過去の事件からの苦痛を交えてはいながらも、大人のいい関係だな、と思いました。
お互いが相手の仕事に敬意を払っていますし、言葉が行き過ぎることはあっても、ともかく本音で話しています。
居酒屋での、秋保の有馬への励まし方には感動しました。
さらに、拓と楓のコンビネーションの成長も良かったです。
拓に引きずられているだけの楓だったのに、今回はついに拓の理詰めの頭脳に、楓がヒントを示すことまでしています。
有馬と秋保、楓と拓の、それぞれの関係をもっと見守りたいのですが、あと2話しかないのですね。
TV予告された「2つの別れ」との言葉も心配ですが、是非、ハッピーエンドに向かうよう願っています!
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