TBS火曜ドラマ「わたし、定時で帰ります。」の第5話の、あらすじと感想をお届けします。
今回のテーマはズバリ「セクハラ・パワハラ」ですね。
女性同士ながら、結衣と桜宮の考え方の対立が見られるのですが、その問題を解決するためにとった光太郎の行動が、クライマックスとなっているんですよ!
「わたし、定時で帰ります。」5話のネタバレ!
いろいろな働き方と結衣の懸念
実家に挨拶に行く、東山結衣と諏訪巧。
わざと普段着の父、母のご馳走が並ぶ食卓、昼からビールのもてなしだ。
結衣の父は仕事人間で、昔、家には結衣が父の顔を忘れないように「遺影」的な写真があったくらいだった。
料理が得意だと言う巧に感心する母親。
巧が幼児体験からタコが苦手で、タコ入り炊き込みご飯にフリーズしてしまうのも、笑って許す。
一方父親は、仕事人間でゴルフのできる種田晃太郎を懐かしく思って、巧と比較している様子なのだった。
その晃太郎は、たこ焼きを夜食に日曜夜も仕事をしていた。
他の部署のトラブル対応をしていたらしい。
寝ていない晃太郎にアイマスクをプレゼントして、心配する結衣。
緊急にクライアントであるランダー社に呼び出された制作4部のメンバー。
ランダーサイドでは来栖泰斗に目をかけていた部長が交代、オドオドした草加が加わっていたが、一層体育会系のノリだった。
「方向性が違う」、「とにかくピンとこない」と、デザインの修正をゴリ押しする、ランダーの中西。
桜宮が賛同し、修正を気軽に受けてしまうので、結衣は心配する。
会社でも「ピンとこない」話をどう対応するかもめるが、福永清次部長が「絶対に先方を怒らせないで」とクギを刺す。
さらなる仕事の発注を期待しているのだ。
翌日。
桜宮が中西らと飲みに行って、新しいイメージでデザインを考えたとのこと。
「1人で飲みに行ったの?」と、驚く結衣。
セクハラではと話題にし、来栖はドン引き、吾妻も心配している。
そんな中、晃太郎と結衣だけでランダーに顔を出し、打ち合わせのほかに「セクハラ問題」の話をすることになる。
人事部に匿名の連絡があったのだ。
中西たちは無自覚で、飲み会でも桜宮が楽しんでいたと主張する。
楽しそうな動画やメッセージを見せられ、それ以上追求できないのだった。
結衣は疲れている様子の桜宮に話しかける。
「相手に気を持たせるレベルで止めています」と、自分をダシにしていることを「それぞれの働き方」と言い切る桜宮。
何も言い返せない結衣だった。
福永や晃太郎にも「大丈夫」と太鼓判を押す桜宮。
しかし、もともと福永が桜宮をランダー社の飲み会に連れて行ったのが始まりだと聞き、晃太郎は心配する。
福永はコッソリ「プライベートなら自由だ」と桜宮をけしかけるのだった。
確実にセクハラ・パワハラ!
18時。
久々に桜宮と吾妻がコーヒー豆で盛り上がっていると、桜宮に中西から、陸上競技場に誘う電話が入る。
ランニングのお誘いとのことだが、吾妻は気にするのだった。
しかし、今回の呼び出しは、桜宮にもビックリの内容だった。
「開発中のウェアを着てほしい」と差し出されたのは、露出の多いビキニトップのようなウェアだ。
“あやな”と呼び捨てにして、「イヤならいいけど」などとソフトに強要する中西。
我慢して着用し、走る桜宮を、草加がビデオに収めるのだった。
結衣は、桜宮の件で吾妻から相談される。
草加も一緒に、例の動画を確認する結衣。
「ちょっと露出多すぎませんか、恥ずかしいです」と言っている桜宮が映っている。
「これ仕事じゃないですよね!?」と、憤る結衣。
どう見てもセクハラだ!
ランダー社では、回し蹴りなどのパワハラも日常で、危機感はあっても、暴力的な精神論に対抗できない草加だ。
「人が傷つけられているのに行動を起こせないなんて」と嘆く結衣。
結衣と桜宮。
「断らないキャラだと思われていて」とあきらめの様子の桜宮。
「仕事相手として見られていない」と心配する結衣に、涙をこらえている様子なのだった。
怒った結衣と晃太郎の根回し
結衣の報告に、穏便にデザイナーをチェンジすることで乗り切ろうとする福永。
「一旦俺に預からせてくれ」と晃太郎には案がある様子だった。
しかし4時の打ち合わせが迫っても、晃太郎は戻らない。
怒りオーラが消えない結衣は「自分が殴られそうになったら動画を撮って」と来栖に口走るのだった。
打ち合わせでは相変わらず「ピンとこない」とだけ言い続ける中西たち。
結衣は意を決して、申し出る。
1つは「ご意向をはっきりと決めていただきたい」ということ。
“初心者にスポーツのきっかけを”とのコンセプトについてだ。
もう1つは「メンバーにセクハラやパワハラをしないでほしい」ということ。
「桜宮は派遣でもうちのメンバーです」と言う結衣に、中西は机を叩き、脅しに入る。
「口の聞き方気をつけろ」と凄んできた時…。
晃太郎が到着する!
「立場をわきまえろ」と結衣に一喝し、頭を下げる晃太郎。
しかし、コッソリ付箋で“言いたい事は俺に、そのまま続けろ”と結衣に指示してくる。
『種田は強引に部下を叱り、東山は上司に歯向かう』という小芝居が始まる!
結衣はひたすら文句を晃太郎に向けて言いつのり、晃太郎が「文句を言うな!」などと返していく。
・炎上CMで売り上げが落ちているのに、前時代的な考えであること!
・横暴が許される時代はもう終わっていること!
・学生時代のスポーツの実績を持ち出さないでほしいこと!
2人のやり取りをポカンと聞いていた中西は、また机を叩き立ち上がり、怒り出す!
「お前は何もわかっていない!」との結衣への攻撃だ。
“犠牲を恐れない者だけが勝つ”と精神論を言い、断言する!
「ウチの仕事が任せられるか、この案件は、ベーシックオンに任せる!」
そこで「承知しました、他社に依頼されるということでよろしいでしょうか」と冷静な晃太郎。
焦る中西たち。
「御社のご意向に沿う形で」とだけ言い残し撤収する。
実は晃太郎は「契約を切る」見通しで、制作本部長に事情を通していたのだった。
炎上前と体質の変わらない会社と取引するのは危険、との主張だ。
「先方から断らせる」という方針のための芝居だったのだ。
しかも、やりとりを録音にとっていた晃太郎。
安堵のあまり、グチる結衣と余裕を見せる晃太郎。
「もしかして東山さんと種田さんって…」とニヤニヤする来栖だった。
桜宮の涙、そしてトンデモ情報?!
数日後。
ランダー社が雑誌記事に載っていた。
ブラックな実態やパワハラ、下請けへの未払いなどの暴露で、20周年イベントも中止になるかもしれないとの噂だ。
吾妻が検索すると“元社員”の証言ということで、中西の腰ぎんちゃく・大石の動画がのっていた。
草加も転職したらしい。
福永と晃太郎は「リリース前で良かった」と語り合う。
結衣は桜宮を慰める。
「デザインより人付き合い」と考えていた桜宮。
ウェアの件では情けなさを感じていたのとのこと。
遅れて涙がこみ上げてくる様子に、結衣は桜宮を抱きしめる。
「桜宮さんは腕がある、自分を大切に仕事しよう」との慰めに、泣きじゃくりながらも笑顔を取り戻す桜宮だった。
「無理しないで次行こう」と言い合う2人だ。
契約終了を拍手で見送られ、笑顔の桜宮。
結衣に「お世話になりました」と頭を下げる。
なんと友人達とデザイン会社を立ち上げることにしたとのこと。
最後に、桜宮は吾妻にお礼を言う。
「吾妻さんみたいに素敵なサイトを作りたいです」
「桜宮さんだったらできると思うよ」
笑顔で終わる2人の関係だった。
いつも通り、定時で上がる結衣を八重が引き止める。
なんと「種田さんが独立するらしい」というのだ。
驚く結衣は、どう反応していいか困り、晃太郎をコッソリうかがい見るのだった。
「わたし、定時で帰ります。」5話の感想
ランダー社の横暴に対して、晃太郎のとった行動がスマートで効果的で、スカッとしました!
仕事を多く抱え込んでいる中、上司と話をつけ、録音の準備までして「自分に噛みつく結衣」という設定で、事態の改善に臨んだ晃太郎。
それが、仲間のためだけなのか、結衣への個人的な好意があるのか…とは、来栖と一緒に勘繰りたくなりますね!
ただ、気になるのが、晃太郎が上司であり旧知の仲の福永部長を飛び越えて行動を起こした、ということです。
これで、晃太郎の独立が本当ならば、今後福永の暴走を止める人がいなくなってしまい、不安ですよね!
そして果たしてまだ、晃太郎は結衣に気があるのかどうか。
仕事面でも恋愛面でも見逃せない次回です!
正義って何?セクハラ・パワハラについても学べる「わた定」!
セクハラ・パワハラについて、新入社員の来栖と、福永やランダー社の人たちが極端に対照的で、なんだか勉強になりました。
「セクハラだと本人が思っていなければOK」というのは1つの基準だとは思いますが、そもそも「セクハラとは言わせないぞ」という圧力があるのならば、話は別ですよね。
派遣スタッフとして無理を飲み込んでいる桜宮の考え方の悪循環を、定時原則の正社員・結衣が切った、というのは、なんだか象徴的な感じがしました。
桜宮の涙を受けとめた結衣のシーン、感動しました!
人それぞれの働き方といっても、ある程度の基準を共有する必要はありますよね。
「定時退社」に固執する特殊キャラかと思えば、このドラマの中では「ニュートラル」な存在になっている結衣なんですね。