今、若手の中で竹内涼真さんほど注目を集めている俳優は数多くはいないでしょう。
長身と端正な顔立ちで女性ファンを魅了しているばかりでなく、スポーツマンをイメージさせる清々(すがすが)しい演技スタイルが男性にも人気を得ているからです。
その竹内涼真さんの仮面ライダー俳優から最新作までの演技評価を「下町ロケット」立花洋介役を中心にしてまとめました。
2015年版下町ロケットの9話で話題になった竹内涼真さん
佃製作所の社長と技術部長と若手チーム😃
何やらバルブをコンペに出すみたいです…👀#阿部寛 #竹内涼真 #安田顕 #朝倉あき#部長と立花くんが妙に仲良いです#下町ロケット #池井戸潤 #tbs#10月放送スタート pic.twitter.com/mVSkY46VtA— 🚀日曜劇場「下町ロケット」🚀 10月放送スタート📺 (@rocket_tbs) 2018年8月24日
テレビ朝日の2014年の戦隊ドラマ「仮面ライダードライブ」で、初めてバイクではなく車を運転する警察官の主人公・泊進ノ介役が活躍する新しいスタイルを演じ切り、竹内涼真さんは全国の子供たちのヒーローになりました。
その翌年2015年秋にTBS日曜劇場「下町ロケット」に出演し、佃製作所の若き開発エンジニア・立花洋介役を体当たりで演じて、今度は大人のドラマファンを魅了します。
前半部分ではロケットエンジンのバルブシステムの開発者の1人として目立たない存在だった立花洋介が、後半の医療機器の人工弁「ガウディ」を開発するチームのチーフメンバーに指名されてからは竹内涼真さんが中心的な役柄を演じることになります。
しかし、佃製作所としてもこれまで経験の無い新規分野ということもあり、相棒の加納アキ(朝倉あき)と共に立花は試行錯誤を繰り返しますが、何ら成果を得られない日々が続きます。
優秀な技術者であるが故に静かに葛藤し苦悩する立花洋介の姿を、竹内涼真さんは演技過剰にならないようにむしろクールに演じていました。
どんなに精緻に人工弁の試作品を作ってみても、心臓内に血栓は出来てしまうのです。
血栓は患者にとって血管を詰まらせる危険な因子となります。
加納アキは薬によって血栓を溶かす方法もあると意見を言いますが、立花洋介は「薬は飲み忘れもあるし、一生飲み続けなければならない」と妥協しません。
更に、完璧な人工弁を目指す立花がモニターに映し出された残念な結果を見ながら砕かれた人工弁を見詰め、床にへたり込んでしまうシーンがあります。
初めて立花が弱音を吐く場面です。
いつも冷静で前向きな立花が脱力し、観念しきった表情を加納アキたち他の開発メンバーの前に隠さずさらけ出してしまうシーン。
ここは竹内涼真さんの迫真の演技が光っていました。
「これ以上無理ですよ」遂にその言葉が立花の口から洩れてしまいます。
その呟きを山崎技術部長(安田顕)から聞いた佃航平社長は開発チームの3人を連れて「ガウディ」の発案者・一村教授のいる福井医科大学病院を訪れ、そこで心臓弁膜症で適合する人工弁による手術を待っている子供たちの姿と一村教授が執刀する少年の人工弁移植の手術を立花たちに見せたのです。
人工弁によって子供の命を救った手術を目の前で見た立花は「自分たちの開発しようとしているものが何であったのか?誰のためであったのか?」そこで悟り挑戦を続けることを決心するのでした。
この場面では、身を乗り出し拳を握りしめて手術の成功を祈る竹内涼真さん演じる立花洋介の真剣な表情が大写しにされていて、見ている方もすっかり感情移入させられましたね。
しかしここはあくまで伏線に過ぎませんでした。
立花洋介役の竹内涼馬さんが本領を発揮するのは9話で「ガウディ」チームとPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の面談での場面です。
アジア医科大学の貴船教授の意向を受けたPMDAの専門員滝川信二が、例によって今回も佃製作所を中小企業と見下し、人工弁「ガウディ」を無用の品とこき下ろします。
その言葉に反応して立ち上がったのが立花洋介でした。
人工弁は心臓弁膜症の手術にはすでに使われて、新たな開発は必要ないと結論を急ごうとする滝川に、このガウディは既存の外国産人工弁ではサイズが合わない子供の患者のためのものだと立花は審査員たちの前で熱弁したのです。
竹内涼馬さんはトーンを抑えた声で、「ガウディ」開発の意義の説明をし始めます。しかし「子供たちの命を救いたい」と情熱を込め語る場面では、立花の話を聞く審査員たちの態度に少しずつ変化が見えてきます。
ここはとても大事な場面で、あんなに無口でひたむきに開発に取り組むことだけが自分の役割だと考えていた立花の、いつもとは違った一面を見せるシーンです。
感情を抑えながらも熱意は伝える竹内涼馬さんの語り口に審査員だけではなく、ドラマの視聴者も頷いてしまうものがありました。
それから3年竹内涼真さんの人気はうなぎのぼりに・・・
この「下町ロケット」での竹内涼真さんの発言の場面は印象強く記憶されましたが、俳優として全国に名前が知られるようになったのは、2016年のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」の島谷純一郎役です。
主人公の谷田部みね子と同じアパートに暮らす実家がお金持ちの慶大生・島谷純一郎の役で一時は相思相愛の恋人同士となりますが、父親が勧める政略結婚に心が揺れ動いてしまい逆にみね子から振られてしまいます。
人柄の良さと甘さ、弱さが混在する役柄を竹内涼真さんは丁寧に演じていました。
そして、人気が沸騰することになるのは翌年2017年日本テレビのドラマ「過保護のカホコ」で主人公・カホコの恋人役の麦野初を竹内涼真さんが演じてからです。
初くん 復活。
どーも麦野 初 です^ ^👍#過保護のカホコ #過保護のカホコ2018ラブアンドドリーム pic.twitter.com/36gABQysmm
— 竹内涼真 (@takeuchi_ryoma) 2018年8月28日
言葉は辛辣でキビシイけれど背景にはカホコへの愛情が感じられる性格の麦野初は、放送回が後半になるほど女性から絶大な支持を得て大人気となります。
母親から捨てられた経験をもつ麦野初が、抑えていた感情を抑えきれずカホコの胸に顔を埋めるシーンは日本中の女性の胸を締め付けました。
竹内涼真さんの持つ優しさと弱さのイメージがこのドラマで炸裂したのです。
この年に男性ファンの心に刻まれた竹内涼真さんの役柄は、池井戸潤原作ドラマ「陸王」のマラソンランナー・茂木裕人の役でした。
ひたむきに走ることのみに打ち込み続ける青年の姿は男性の誰もが自分と重ねてイメージできるキャラクターでした。
この辺りに「下町ロケット」の立花を思い出させる竹内涼真さんの演技に注目が集まりましたね。
感情を大きく表す場面の少ない役でしたが、ランナーとしての迷いとか人からの信頼に応えようとするといった感情を吐露する場面では良い演技がみられました。
さらに2018年春ドラマでは「ブラックペアン」では新人外科医の世良雅志役を演じていました。
主人公の渡海征司郎に振り回される世良の自信が持てない外科医の姿を竹内涼真さんが上手に演技していて、欲深い思惑が渦巻く医療界を描いたドラマの中でオアシスのような安心を与えてくれていました。
ただし、渡海征司郎を演じた二宮和也の怪演?や涙の打ち上げ挨拶で話題をさらった治験コーディネーター・木下香織役の加藤綾子の前に少し人気が霞んでしまったことは止むを得ません。
それでも「下町ロケット」から3年。
竹内涼真は演技の幅を広げて人気はいまだに上昇を続けています。
2018年秋ドラマ続編「下町ロケット」での竹内涼真にもさらなる期待を!
監督ジャイさんと話す竹内くん👀
こうして相談しながらお芝居を決めていき役を作っていきます…10月の放送に向けて撮影、着々と進んでいますよー❗🎥
次の情報解禁をお楽しみに👀📺#阿部寛 #土屋太鳳 #竹内涼真#安田顕 #イモトアヤコ #吉川晃司#下町ロケット #池井戸潤 #tbs#10月放送スタート pic.twitter.com/GJCplMoyRZ— 🚀日曜劇場「下町ロケット」🚀 10月放送スタート📺 (@rocket_tbs) 2018年9月6日
そして、この秋10月から続編「下町ロケット」で成長した立花洋介役の竹内涼真さんの演技を見ることが出来ます。
こんどの挑戦は「農業」です。
ドラマで立花はトラクターのトランスミッションに装着されるバルブの開発を任されます。
相棒となるのは再び加納アキです。
朴訥な立花に明るいアキが寄り添い苦境に立った佃製作所の新事業の鍵となる技術開発に挑みます。
再び竹内涼真さんの爽やかでイケメンすぎる笑顔がテレビ画面に映る日が楽しみですね!
まとめ
竹内涼真さんの演技のスタイルを改めて振り返ってみると、控えめで大人しいイメージを基調としながらも心の奥底に闘志とか情熱などを秘めている好青年のパターンが多いように感じます。
またドラマ「ひよっこ」で見せた優柔不断な頼りない役柄も自然な演技だったと思います。
その中にあって、女性にどこまでも優しい騎士(ナイト)の役柄も似合うスター性もあって、熱狂的な人気の源になっているような気がします。
欲を出して言うならば、この辺りで悪役にも挑戦してほしいですね。
松本清張作「黒皮の手帳」の安島富夫のような最後に女を裏切る役にも挑戦して欲しいと思います。