下町ロケット、原作、池井戸潤

2018年10月期のTBS日曜劇場は「下町ロケット」の続編が放送されますね。

主演は阿部寛で再び佃製作所の社長・佃航平を演じます。

前作は池井戸潤氏の著作「下町ロケット」及び「下町ロケット ガウディ計画」を原作としてドラマが制作されていますが、今作は同氏の最新小説「下町ロケット ゴースト」が原作となっています。

それでは、「下町ロケット」「下町ロケット ガウディ計画」「下町ロケット ゴースト」3作のあらすじをまとめていきます。

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下町ロケットの原作第一作目「下町ロケット」のあらすじ

まずは、この物語のあらすじとして、全体の構成を見ていきましょう。

1. 佃航平が開発したロケットエンジン「セイレーン」の墜落

2. ナカシマ工業との特許権侵害訴訟合戦

3. 佃製作所が特許を取得した水素エンジン用バルブシステムをめぐる帝国重工の企み

4. 帝国重工 特許買収から使用許諾へ

5. 佃製作所 使用許諾から製品納品へ

6. 評価検査

7. 納品テスト

8. 燃焼実験

9. ロケット発射

という段階を踏みながらストーリーは展開します。

あらすじをパット見るだけでも、2015年のドラマ「下町ロケット」を見た方は名場面が脳裏に蘇り感動を思い出したのではないでしょうか。

下町ロケットのネタバレ!

 

では、ここからは、ネタバレを見ていきます。

 

10年前のある日、種子島宇宙センターの発射台から実験用衛星を乗せたロケットが成層圏に向けて飛び立ちました。

そのロケットを推進する水素エンジン・セイレーンは宇宙科学開発機構の研究員・佃航平が科学者としてのすべてをかけて開発した世界最先端技術の結晶だったのです。

 

 

しかし、打ち上げから172秒後にロケットは軌道を大きく外れ、緊急事態命令が指揮者から発せられました。

「保安スイッチ オン」その一言でセイレーンを搭載したロケットも衛星も爆破され海の中に沈んでいったのでした。

そして、佃航平の夢はここで潰(つい)えて人生も大きく軌道を外れることになってゆきます。

 

 

ロケット打ち上げ失敗の責任を取らされて宇宙科学開発機構の研究員の職を辞職した佃航平は、10年後父親から継いだ佃製作所の社長として小型エンジンを開発・製造・販売する業務に携わっていました。

佃が社長になってから業績は伸び、従業員もひところの3倍近い200人にまで増えてきていましたが、直近の業況の悪さから内製化を決めた大口顧客の京浜マシナリーの売り上げを失う事態となっていました。

そこにライバル企業のナカシマ工業による特許権侵害の訴状が東京地裁から佃製作所に送られてきます。
佃製作所の主力製品「ステラ」がナカシマ工業の特許権を侵害しているという訴えで、損害賠償金90億円を要求するものでした。

ナカシマ工業については「ステラ」の件では以前にも同様のクレームが付いたことがあり、技術者同士が直接会い佃製作所側から十分な説明をして反論もなかったことからナカシマ側は納得したと確信していただけに佃社長の驚きは大きいものでした。

しかし、実はナカシマ工業の真の狙いは訴訟で勝つことよりもライバル企業の評判を落とし、財務面で体力を奪って和解に持ち込み株を取得して佃製作所を支配下に置くことにあったのです。

この汚い戦略を知り尽くしていた神谷弁護士は、逆に佃製作所の持つ特許権の侵害でナカシマ工業を追い詰め50億円の賠償金とナカシマ工業の訴えの取り下げを勝ち取ります。

この過程で、佃製作所に降って湧いた話もありました。

それは帝国重工からのロケットエンジンに使うバルブシステム技術特許の買い取りの申し入れでした。

佃航平は宇宙科学開発機構を離れてからもロケット打ち上げ失敗の原因がエンジンへ燃料を送るバルブの制御システムの不具合にあったことを悔いて、バルブこそ水素エンジンのキーデバイスだと信じ開発を成功させ特許を取得していたのです。

帝国重工の宇宙開発航空部部長の財前道生は、バルブシステムの特許権買い取りに自ら佃製作所を訪れて佃航平に契約を迫りますが、「使用許諾ならするが特許権の譲渡はしない」と断られます。

その報告を聞いた上司で役員の水原本部長は、一流バンチャー・キャピタルのマトリックス・パートナーズを使って佃製作所自体を買い取ってしまおうと画策する一方、佃の宇宙科学開発機構時代の友人の三上を使って佃航平社長を大学の教授職へと誘いをかけさせます。

しかし、佃航平が選んだ道はバルブシステムを製品化し帝国重工に納品したいという財前部長への逆提案でした。

ところがその提案を断りに来た財前部長に佃は自分の試作工場と研究所を視察してもらいます。

すると財前部長はまず技術者の技量の高さに驚き、試作品の質に度肝を抜かれるのです。

「これならバルブシステムを帝国重工で作るよりも質の良い部品が安価に調達できる」そう部長は確信するのでした。

しかし、帝国重工では藤間秀樹社長の内製化方針に沿うように水原本部長は富山主任を呼びつけて財前部長に代わって佃製作所にバルブシステムを使用許諾させるように指示を出すのです。

富山は何としても水原本部長の期待に応えて財前部長を出し抜こうとしますが佃社長は頑強に使用許諾契約を拒否します。

ただし、それによって佃製作所内部に亀裂が生じ始めるのです。

若手社員を中心に佃社長の方針に面と向かって異議を唱える者も現れます。

使用許諾を受け入れて金を手に入れボーナスに回せという人間もいます。

慰労のために誘った居酒屋で「社長のロケットを飛ばす夢は公私混同だ」と若い社員になじられた佃は社長職を投げ出したい気持ちになります。

一方、富山の報告を聞いた水原本部長は財前部長の説得によって一度は佃製作所のバルブシステムの評価検査を富山に命じます。

富山は水原本部長の意を汲んで評価検査を実施しますが、結果は不合格と決めていました。

そのため、腹心の検査官を実施責任者に据えて実地評価に赴きますが、悪意を持って検査しても佃製作所の評価を落とすことは出来ません。

それ程までに、佃製作所の生産環境や財務体質は悪くないのです。

むしろ帝国重工の下請けならば優秀のランクに入る成績になってしまうのでした。

ところが、2次段階となる製品テストで不良品が見つかります。

佃製作所内部の不満分子の1人・真野が帝国重工にテスト用として納めるバルブシステムの試作品を不良品にすり替えていたのです。

意気揚々と不合格通知を決めていた富山に待ったがかかります。

財前部長から再検査の命令が下ったのです。

こうして評価検査全部が合格となった佃製作所のバルブシステム。

残された関門は、役員会での藤間社長の説得でした。

この役目は財前部長が果たすことになります。

宇宙開発畑を歩んできた藤間社長に対し「10年前当時、世界最先端のロケットエンジン・ステラの開発者こそが佃社長です」

と説明し了承を得たのです。

だが更に試練は待っていました。

実際に水素エンジンに佃製作所のバルブシステムを使った燃焼実験がなされると、バルブシステムは機能しなかったのです。

帝国重工の担当技術者の前で、会議の冒頭から佃航平は原因を追究されますがバルブを何度も点検しても不良の理由が掴めないと答えるしかありません。

そのとき技術部長の山崎はシリンダーの内側に僅かな傷を発見します。

マイクロスコープでようやく分かるほどの微かな傷の原因を探ってゆくと、それは帝国重工の社員が自社製品を使うよう求め設置したフィルターが浮かび上がってきたのです。

佃の社内実験では佃製のフィルターを用いていたため起きなかった不具合でした。

帝国重工の実験場での2度にわたる燃焼実験を経て、佃製作所のバルブシステムが組み込まれた水素エンジンを搭載したロケットが種子島の宇宙科学開発機構の発射台から打ち上げられ、佃航平は夢を叶えたのでした。

娘の莉菜から祝福の花束を受け取った佃航平は、宇宙に飛び出していったロケットの軌跡を眺めながら感慨にふけることなく、佃製作所の誇るバルブシステムの用途は他にもないかを考えているのでした。

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まとめ

ここまでが、2015年に放送された下町ロケットの前半部分の原作のネタバレとなります。

ドラマでは、後半部分は、「ガウディ計画」編へと以降していきます。

2018年の「下町ロケット2」も2部構成となることが予想されています。

その原作が、「ゴースト」と「ヤタガラス」です。

同じ町工場でありながら、その仕事の範囲がさまざまな分野へ移っていくのが下町ロケットの面白いところであり、仕事のロマンを感じるところでもあります。

続いては、原作の2作目「ガウディ計画」のあらすじとネタバレを見ていきます。

3作目のゴーストは農業の世界へと移っていきます!

そして、最新刊、ヤタガラスへ続きます!

どの舞台も見応えがありますね!

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