乱反射、原作、ネタバレ

9月22日の土曜日22時15分からテレビ朝日系列でドラマ「乱反射」が放送されます。

原作は、「第63回日本推理作家協会賞」を受賞した貫井徳郎さんの小説「乱反射」です。

父親・聡(妻夫木聡)とその妻・光恵(井上真央)が幼い息子の命を奪った事故の真相を突きとめようとするサスペンス。

 

結果として見えてきた事実とは何だったのか?

原作小説「乱反射」のあらすじとネタバレをまとめました。

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事故への布石・登場人物の日常

小説のプロローグ部分で作者の貫井徳郎さんは、「一見不運な事故にしか見えない幼児の死は、殺人だった」と断定し、「それも、大勢の人間が寄ってたかって無辜(むこ)の幼児を殺したという、異常極まりない事件であった。」とストーリーの帰結を記すことから書き始めています。

2歳の男の子の命を奪った原因は、大勢の登場人物の何気ない日常の中にすでにあったのです。

主人公の加山聡は地方新聞社に勤める記者で、専業主婦の妻・光恵と2歳になる息子の健太との3人暮らしでした。
しかし、聡は近県に住む両親とは別に暮らし、めったに会いに行こうともしません。

それは母親の自分に対する過度な愛情が疎ましいからでした。

そんな聡に光恵は、自分がご両親を避けていると思われるのが嫌で家族で帰省することを提案します。
久しぶりに帰った実家で、聡は父親の血糖値が高いことを知ります。

数日後光恵からの電話で聡が、父親が倒れた知らせを聞いたのは父が病院に入院してからでした。
それから父にもしものことがあった時のことを不安に思った母親から聡へ同居の打診があったのです。

そのことで、聡と光恵との間にもさざ波が立ち始めます。

光恵はすでに聡の母親から「見舞いに来る回数が少ない」と嫌味を言われていたのです。

「2歳の子供を抱えての見舞いは辛い」のだと光恵は聡に訴えますが、聡に「自分の親が入院しても同じことを言うか?」と一蹴されます。

そして仕方なく、光恵はあの日もベビーカーを押しながら病院へ義父を見舞ったのです。

街路樹が倒れて幼い2歳の男の子の命を奪った直接の原因は、市の委託を受けて街路樹の診断をすべき造園業者の社員・足達道洋が、倒れた街路樹の検査を怠ったからでした。

足達道洋は最近になって極端な潔癖症に陥り、その街路樹の根元に放置されていた犬のフンに耐えられず検査をしなかったのでした。

その犬のフンを放置したのは三隅幸造でした。定年退職後、唯一の楽しみにしていた愛犬トイプードルのクマとの散歩中に、クマが街路樹の根元にするフンをいつもかたずけていなかったのです。

しかし、市役所の道路管理課職員・小林麟太郎はそのことに気が付いていたのです。

街路樹の伐採作業の際に、小林麟太郎は一度フンをかたずけさせられていたのでした。
しかもその後も新しいフンが堆積しているのを知っていて放置していました。

さらに、街路樹の伐採に反対する主婦の田丸ハナと粕谷静江は以前に街路樹の診断を、伐採するための準備と誤解して作業を妨害していたのです。

一方、夜間の救急担当の内科医師・久米川治昭は街路樹の事故で怪我をした幼児の診療を拒否していました。

それは、患者の命に関わる緊急手術など外科的治療がイヤだったことと、風邪などの軽い症状で救急診療を受けにくる若者たちの診療で忙しかったためです。

その病院の夜間診療を風邪でよく利用していたのは普段から体が弱い体質だった安西寛です。

しかも夜間でも診察してくれるこの病院を同級生の可奈に教えたことがきっかけでこの病院の夜間診療に若者の患者が増えてゆきます。

そして、幼児を乗せた救急車が渋滞で病院に患者を運ぶのが遅れた直接の原因は、榎田克子が自宅前で車庫入れを放棄して路上に車を放置したことにありました。

榎田克子は車庫入れが不得意で大きい新車の購入には反対していたのですが妹に押し切られた経緯があったのです。

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反応と追及

加山聡は息子を死に至らしめた人間を探し、責任を追及することを決意します。

初めに向かったのは事故を捜査している警察でした。

刑事から、街路樹の検査を市役所から請け負っていた業者がこの事故に関係していることを聞き出しますが、業者の名前は明らかにしてくれません。

そこで市役所の道路管理課で担当の小林麟太郎から石橋造園土木の名前を聞き、その足で業者を訪ねると社長の石橋が応対に出てきて社員が検査を怠ったことを詫び、担当の足達を謝罪に伺わせると約束しました。

やってきた足立の言い訳は、自分が過度の潔癖症という病気にかかっていてフンに耐えられなかったという聡には理解できないものでした。

更に診察を拒否した病院に行き理由を尋ね、渋滞を引き起こした榎田克子にも、フンを放置した三隅幸造にも会ってみましたが、誰もが自分は街路樹が倒れた事故とは関係がないと責任を否定するばかりでした。

こんなに加害者がいるのに誰にも責任を追及できないのか?

聡は無力感で情けない気持ちで落ち込むのでした。

そんな時、聡の胸にふと思い浮かんだのは、このことは公表して世間の意見を聞いてみるべきではないだろうか?という考えでした。

そうだ!ホームページを立ち上げて事実をそのまま記載して世間一般の人の意見を聞こう!

さっそく届いたコメントには聡と同様にやり切れない怒りを表したもの、義憤ですぐにでも関係者に抗議しそうなもの、励ましのメッセージなど大きな反響を呼んでゆきます。

しかし、事故までの経緯を書いた部分で名前は伏せていてもすぐに誰と判ってしまう表現をしたため、聡の勤める新聞社へ関係者のうちの誰かから抗議があり、上司からホームページを閉鎖しろと命令が下ってしまいます。

それでも聡は世間の人の暖かい支援の声に、失いかけていた人への信頼を取り戻してゆくのでした。

まとめ

最終章で、聡は高速道路のサービスエリアで妻に頼まれ家庭ゴミを捨てたことを思い出す場面があります。

それは聡が3年ぶりに家庭サービスで光恵と健太を連れて泊りがけの旅行に出かけた途中の出来事でした。

その行為が回りまわって健太の命を奪ったのだ!健太を殺したのは俺だったんだ!

無責任な行動が人を苦しめることになる。聡がそう悟ったのはすべてが終わった後でした。

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