昭和元禄落語心中、ドラマ

第4回「破門」のネタバレと感想をお届けします。

自分の落語の新境地を開いた菊比古(岡田将生)の次の課題は廓話以外の得意分野をつくること、そしてみよ吉(大政絢)と別れること。

一方飛ぶ鳥を落とす勢いでラジオやTVでも活躍している助六(山崎育三郎)ですが、素行の悪さで師匠方のウケはよろしくありません。

「破門」の題が示す通り、友情や恋にも暗雲が垂れ込めてきます。

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ドラマ「昭和元禄落語心中」4話のネタバレ!

昭和29年、菊比古と助六、昇進の足音

鹿芝居で女形を演じて以来「自分の居場所をつくる」という信念でまい進する菊比古の人気は上がってきていた。しかし、真打も間近かと褒められつつも、艶っぽい話だけでは足りないと七代目八雲師匠(平田満)に言われる菊比古。

みよ吉との逢瀬にもあまり身が入らず、みよ吉は寂しい思いをしていた。
一方、TV出演の機会を得てラジオ以上に名が売れている助六は、自分では「八雲を継ぐ者」と公言しているものの、いっこうに昇進の話はない。

お客さんには受けているものの、借金はする、羽織は借りる、遅刻はするで、協会には全く受けの悪い助六だった。

「死神」にとりつかれる菊比古

菊比古は、酒で高座をしくじり除名された先輩落語家・彦兵衛(柳家喬太郎)の「死神」を居酒屋で聞き、その巧みさに衝撃を受ける。

戦争体験のトラウマで酒がやめられないという彦兵衛に頼み込み、一晩朝まで稽古をつけてもらう菊比古。
凄みのある「死神」をものにしようとする菊比古には、みよ吉の悩みにかまう気持ちはない。

年配のお妾という話を相談しようとするみよ吉を、冷たくして追い返してしまう。
菊比古は「納涼落語会」で高座のトリを演じることしか考えられなくなっていた。

ほおずき祭りと納涼落語会

ほおずき祭りに、みよ吉をエスコートするのは助六だった。
寂しがるみよ吉の話を聞いていた助六は、ついみよ吉を抱きしめてしまう。
間の悪いことに、それを菊比古が目にしてしまった。

冷たくして怒りもしない菊比古に、「バカ!」と叫んで駆け出すみよ吉。
菊比古はみよ吉に惚れているものの、師匠に釘をさされ、別れる決心を固めたのだった。
傷心の菊比古は、常に先を行く助六のことも辛い、一人になりたい、と話す。

変化を追及する助六と伝統を守る菊比古。
道は違っても「2人で落語が生き延びていく道を作ろう」と指切りをし、笑い合う2人だった。

納涼落語会での菊比古の「死神」は大成功。
凄みのある死神の演技は流れも良く、客席を惹きつけている。

「ぼん、やりやがったな」と感嘆する助六、楽屋で聞きほれる落語協会の会長。

「これが、あたしの心底欲した孤独」と思いつめる菊比古だった。

真打昇進披露

30年春、寄席には助六と菊比古ののぼりが立っている。
真打となった2人は千秋楽を迎えていた。

ここで助六は「居残り佐平次」を演じてしまう。
イヤミを言った協会長への挑戦のつもりだった。

客席は沸き、助六は大満足だったが、これは落語会の幹部だけでなく、七代目八雲師匠も怒らせてしまう。
ちっとも納得せず、師匠の落語まで「古臭い」とけなす暴挙に、怒り心頭の師匠。

「八代目は菊に継がせる」「消えな、そんなに好き勝手生きてぇなら破門してやる」と言われて追い出される助六だった。

そのころ、みよ吉はとうとう菊比古から別れを切り出されていた。
「死んで化けて出るから、今度会うときは地獄ね」とタンカを切ったみよ吉。

そんなみよ吉と助六が、桜の散る夜に出会う。
2人は慰め合うように抱き合うのだった。

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ドラマ「昭和元禄落語心中」4話の感想

菊比古が女性に対して硬派すぎたということ、みよ吉が寂しがり屋過ぎたのだということが、しみじみ伝わってきて、辛かったです。菊比古は前回のボーイさんの仕事の時にもろくすっぽ笑顔をふりまけず、助六にからかわれているシーンがありました。

もともとあまり女性に免疫がなかったところに、死をも覚悟している重すぎるみよ吉が寄りかかったら、うまくいかないのも目に見えている…と思ってしまいました。

助六の方は、生まれてくるのが早すぎた落語家だ、という感じがしました。

今だったらきっと助六のお客を選ばない芸風を許容する師匠もいただろうに、いえせめて「じゃあ大阪に行く」などと言えるバイタリティがあったらよかったのに、と、不幸な結末が見えている分、もったいなく思います。

岡田将生の演じる「死神」にセンリツ!

今回のヒットは、やはり菊比古役・岡田将生の「死神」の演技でしょう。

先輩に首の使い方を教わって、演技が変化したときなど、本当にぞっとしました。

菊比古があまりに稽古に根を詰めて、みよ吉や寝食を忘れているシーンでは、完全に頬がこけていて、たとえ八雲を襲名した現代パートがあると知っていても、そのまま菊比古が「死神」に連れていかれるのでは、という気迫が感じられました。

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